総領事 新年のご挨拶

令和5年1月4日
在マルセイユ総領事 村田 優久夫
新年の挨拶
 
 皆様、新年あけましておめでとうございます。皆様の今年一年のご多幸とご活躍を祈念いたします。
 
 昨年11月、総領事館はミシュレ大通り132番地のガラス張りの新築ビルに移転しました。マルセイユ市民がこよなく愛すオランピック・ドゥ・マルセイユ・サッカーチームのホームスタンド“ヴェロドローム”のすぐ近くで、前の総領事館事務所に比べて、アクセスが格段によくなりました。皆様にとって、より身近な総領事館になるように努力したいと思います。
 昨年は、南仏における日仏自治体交流の活性化、日仏交流の歴史の再認識、オクシタニー日本週間の成功の3つの目標を掲げ、それぞれ大きな成果をあげることができました。特にオクシタニー日本週間では170近くのイベントが開催され、日本とオクシタニー州の新たな交流の歴史を作ることができました。
 2023年は次の目標を掲げます。
  • ラグビー・ワールドカップを契機に、日仏市民交流の輪をさらに拡大する。
  • 南仏における日仏の自治体同士の交流を支援して行く。
  • 引き続き、日仏交流の歴史とその意義を日仏両国の市民に知ってもらう。
 
1 ラグビー・ワールドカップを契機に、日仏市民交流の輪のさらなる拡大
 2023年9月から始まるラグビー・ワールドカップでの日本チームのキャンプ先はオクシタニー州の州都トゥールーズです。昨年の「オクシタニー州日本週間」は、このラグビー・ワールドカップの日仏友好試合(2022年11月20日)がキック・オフになりました。さすがに開催国フランスは強く、日本は2トライしたものの負けてしまいました。ワールドカップの日本チームの予選リーグの試合はトゥールーズで2回、ニースで1回行われます。さらに決勝トーナメントに進めば、マルセイユのヴェロドロームでも日本チームは試合を行います。
これらの試合を観戦するために多くの日本人サポーターが南仏を訪れることでしょう。トゥールーズもニースも、そしてマルセイユも、日本人サポーターの来訪を大歓迎します。さらに、フランス側は試合の観戦だけではなく、日仏の市民の交流ができることを望んでいます。総領事館としてはこのような交流を支援して行きたいと思います。
 
2 南仏における日仏の自治体同士の交流の支援
 昨年10月に第7回日仏自治体交流会議がエクス=アン=プロバンス市で開催され、コロナの大きな壁を乗り越えて、日仏の多くの自治体が参集し、大成功を収めました。この自治体会議の成果を踏まえ、姉妹交流を締結しているいくつかの自治体が、今年久しぶりに相互訪問を企画しているようです。総領事館としては、この直接対面交流のお手伝いをして行く所存です。
 
3 日仏交流の歴史とその意義
 昨年の新年の挨拶で、1885年から1877年まで日本に滞在し横須賀造船所を建設したレオンス・ヴェルニーについて紹介しました。その横須賀基地から、自衛隊の練習艦「かしま」と「しまかぜ」が昨年6月に横須賀造船所のモデルであったトゥーロン港に寄港しました。そしてヴェルニーの曾孫さんが、同港の海洋博物館でヴェルニーの日本の近代化に果たした役割について講演し、トゥーロン市民に日仏関係の源流の一つを学んで頂く機会になりました。また、練習艦隊音楽隊と和太鼓チームによる演奏会は、練習艦隊とトゥーロン市民が交流の場になりました。
 今年も、このような日仏交流の原点の歴史を多くの市民に知ってもらいたいと願っています。昨年はサンテチエンヌ鉱山学校ガルダンヌ分校、リヨン第3大学、リヨンINSA(国立応用科学学院)で「日仏関係の起源と未来」と題した講演を行いました。今年もいくつかの大学で日本に関心をもつ若き俊英に講演をしたいと思っています。
 
 私のマルセイユ駐在も3年目を迎えました。この素晴らしい南仏で、皆さんとともに日南仏関係の増進に少しでも貢献できたらと願っています。本年も宜しくお願いいたします。
 
 
2023年1月
在マルセイユ総領事
村田 優久夫