総領事挨拶

令和7年1月1日
在マルセイユ総領事 北川 洋
2025年 新年のご挨拶


 2024年は、フランス国内では、夏の国民議会選挙、首相の3度の交代があり、国際社会では、ウクライナでの戦闘の長期化や中東情勢の緊迫化をはじめ激動の年でありました。その一方で、パリ・オリンピック・パラリンピックが開催され多くの感動を人々に与え、ここマルセイユでは、セーリング競技において日本代表が20年振りのメダルを獲得するという大変喜ばしい出来事もありました。
 
 私は、昨年2月の着任以来、南仏各地を訪問いたしましたが、パリで勤務していた二十数年前と比べても、フランスと日本との友好・協力関係が様々なレベルで、また幅広い分野でさらに深化していることを強く感ずることができました。
日本から文部科学大臣や国会議員の方々が南仏にお越しになり、企業関係者の来訪も多く、南仏への新たな日本企業の進出に向けた動きも見られました。南仏から日本への経済ミッションの派遣もありました。また、当地において両国研究者による学術交流の機会も多々ありました。
10月の毎年恒例のマルセイユの秋祭りには約1万人の方々が来場し、11月のオクシタニー日本週間では384の行事が開催され、コルシカでも日本紹介行事が大々的に行われて、現場で多くの日本ファンの方々にお会いすることができました。これ以外にも、エクサンプロヴァンス、ニースやモンペリエ等各地でも日本を紹介する行事に触れる機会がありました。こうした様々な交流を積み重ねてこられた南仏在住の日本人やフランス人の方々の熱意に改めて敬意を表したいと思います。
 両国の間では自治体の交流も発展し続けています。昨年は、静岡市、鎌倉市、備前市、茨城県境町、鳥取県三朝町、愛知県等、日本の自治体関係者の方々が数多くお越しになられました。日本から中高生の皆様も来訪され、ラマルー・レ・バンやニース等で地元の方々との交流を深めました。フランス側からも自治体関係者の訪日が相次いで行われました。
 モンペリエでは新たに日本人会が設立され、活動を徐々に本格化させていますが、ニース日本人会やプロヴァンス日本人会等も活発に活動されてます。各地の日本語補習授業校でも日々関係者がご尽力されている姿も拝見させていただきました。
 
 日本とフランスの間には、2023年に発表された日仏協力のロードマップの下、自由で開かれたインド太平洋の実現、そして法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた緊密な協力が進展しています。 
 2025年は、4月から大阪・関西万博が開催されます。こうした機会も含めて、フランスからも多くの方が来日されることでしょう。日仏間の交流や協力の機会が益々増えていくことになるものと期待しております。 
 本年も、総領事館の館員一同、在留・居住される邦人の皆様の安心と安全の確保、そして日本とフランスとの様々な分野における協力や交流の発展に引き続き取り組んで参りますので、ご理解とご協力のほど宜しくお願いいたします。
 
 2025年1月
 在マルセイユ総領事
 北川 洋