2014年の主な出来事

2017/7/13
2014年、当館の管内でおこった政治、経済及び社会面での主要出来事を地元紙及び全国紙から抜き出しました。管外で生じた事項でも特に管内との関連が深いものについては、{ }内に記載してあります。(敬称略)
 

1月

3日:2013年ブーシュ・デュ・ローヌ県で発生した抗争事件の死亡者数は17人(内15人はマルセイユ市で発生)。前年比26%減となった(2012年は県で23人、マルセイユでは18人)。

5日:ベズィエ(エロー県)で葡萄栽培農地を所有する仏人男性が自宅で覆面集団(2-3人組)に拉致された。猿轡を噛まされ縛られた上、車のトランクに押し込められ、農地を手放したら殺すと脅された後「解放」された。犯人等は被害者が、某スイス人との間に農地売買を協議中である旨承知していた模様。6日、「農業行動委員会(Comite d’Actions Agricoles)」を名乗る集団が、新聞社、不動産事務所等に脅迫状を送りつけた。外国人への農地転売が投機熱を煽って地価が上昇し、地元の若者が農業経営から締め出されると抗議し、土地を取得する外国人や仲介業者は闇に葬ると脅す内容であった。

6日:トゥールーズ在住の男子高校生2名(15歳と16歳)が、「良き回教徒」になろうとシリアでの人道活動に参加を呼びかけるサイトに共鳴し、トルコからシリアに入国するため親に無断でフランスを出国し、世間を驚かせた(記事上、1少年にはハキムとの仮名が。両親は穏健イスラム)。その後、26日及び28日、少年達は各々フランスに戻った。人道活動のはずが、実態は兵士としての参加と知って帰国を決意した由。治安当局は、二人をパリに移送後、予審開始を決定。「過激化」の過程について事情聴取中。

11日:管内空港乗降客数(2013年):ニース(1155万人、3.3%増)、リヨン(856万人、1.3%増)、マルセイユ(826万人、0.4%減)、トゥールーズ(757万人、0.1%増)、モンペリエ(142万人、10.5%増)。2012年に好成績(12.7%増)であったマルセイユ空港は、マグレブ諸国の治安不安定の影響を受けて減少した。

21日:マルセイユ大海運港(GPMM)実績(2013年):商品総取扱量8004万トン(前年比7%減)。原油輸入の減少および精製部門の危機に負うところ大きく、石油に依存する同港にとっては痛手。諸商品(1733万トン、1%増)。コンテナは100万個を突破(109万個、3%増)。乗客262万人(7%増、その内145万人はコルシカ(6%減)、117万人は巡航客船(31%増)、アルジェリア・チュニジア航路は各13%、6%の減)。

22日:エクサン・プロヴァンスで税務署が爆破された。現場には、プロヴァンス民族解放戦線(FLNP)の署名があった。(FLNPは、2013年ヴァール県で爆破並びに爆破未遂事件を起こしている)

31日:アヴィニヨンに住む15歳の少女(レイラ(仮名)、イスラム信仰家庭の5人兄妹の1人、高1)が1週間来消息を絶ち、本人がフェイスブック上でシリアでの「聖戦」に参加したい旨記していたことから、パリのテロ対策部が捜査に乗り出した。
 

2月

10日:ニース出身の若者(18歳)が「聖戦」に参加しようとしてシリアに発ち(2013年9月)、約4カ月後、帰仏。治安当局は、「テロ行為を企図する犯罪者集団」に所属した容疑で逮捕し刑務所に拘禁した。

17日:コート・ダジュールにロシア人家族が増加中。モスクワやサンクト・ペテルブルグに職を持ち、家族は南仏に居住。仏在住ロシア人8万人中2万人を占め、多くは中小企業主、建築家、弁護士で高級アパルトマンに住み、子供はニース近辺の国際学校やロシア人学校に通わせている。地域の消費経済に占める比重も次第に大きくなってきている。

18日:1963年から1982年にかけてレユニオン島から1630人の子供(7-14歳)が仏本土の過疎県に労働力乃至は養子として移されたことについて、国の責任を認める動議が国民議会で可決された。(当館管内でも)ミディ・ピレネ州タルヌ県202人、同ジェルス県101人、ラングドック・ルシヨン州エロー県71人、同ロゼール県67人というように全仏で64県が受け入れた。子等は孤児であったと聞かされて大きくなり、実の親には子供は死亡したと告げていた例も。貧しく時に文盲の親から子を放棄する旨の証文も取られていた。本土での豊かな暮らしや教育を約束されたにも拘わらず、実態は農村部で労働力として使われたり、性的暴行を受けたりしたという証言もある。}
 

悪天候関連
連日の大量降雨によって南東フランスの山岳部や市街地で大事故や建物損壊が発生した。

5日:ニース市中の商業センターで豪雨により天井の一部が崩落。負傷者なし。

8日:ピーニュ(アルプ・ド・オート・プロヴァンス県)で20トンの岩が通過中の列車(ニース-ディーニュ線)を直撃、脱線事故を引き起こし乗客2名が死亡。

23日:イゾラ(アルプ・マリティム県)で巨岩が休暇客用山小屋に落下し、宿泊中の家族の子供(7歳と11歳)が死亡。大量降雨に続く凍結及び融解で地盤や岩盤が極度に脆弱化したためと見られている。
 

3月

2月11日(報道は3月26日):カンヌ市の近郊マンドリウ・ラ・ナプール市(アルプ・マリティム県)でシリア「聖戦(ジハード)」に参加した仏人男性宅から爆発物が発見された。家宅捜査に当たった中央内務情報局(DCRI)は、テロ計画の線で捜査を続行中。

1日:仏保険衛生監視研究所(IVS)と仏国立保健・医学研究所(Inserm)が州毎に実施した調査によるとミディ・ピレネ州とアキテーヌ州で精子の平均濃度が最低、また異常精子の著しい増加が認められた。農業が盛んな地域故、農薬が住民の体内に取り込まれ、内分泌異常を来たすと疑われている(1989年~2005年に精子濃度は32.2%低下したことも判明)。農業関係者は、農業構造や制度が現在の生産至上主義体制を支え、既存利益の擁護に固執する農業ロビーの存在もあり脱却は容易ではないと語っている。

14日:マルセイユ港は巡航客船寄港地として地中海沿岸港中6位に昇格(2013年乗降客数約112万人。前年比33%増は上位10港中最高)。バルセロナ、シヴィタヴェキア(伊)、ヴァネツィア、バレアレス諸島(西)、ピレ(希)に続く。マルセイユでは、2016年までに巡航船乗客130万人突破上位5港入りを目指して港湾設備拡充に着手している。

15日:ナルボンヌ近郊に住む少女(Sahra、17歳。父がアルジェリア出身)が行方不明。シリアに赴くためマルセイユ空港からトルコに出発したのではないかと疑われている。

23日:コルシカのアレリアでジャン・レッシア(オート・コルス県議会事務局長)がバイクに乗った二人組の銃掃射を浴びて暗殺された。同人は2011年、公契約に関わる不祥事容疑及び公金横領容疑で事情聴取を受けたが不起訴となった経緯あり。今回事件によって、公契約に関係する地元の代議士及び公務員は、暗黙の脅迫を感じている由。

23、30日:市議会議員選挙(第1回及び第2回投票)実施。管内でもUMP(国民運動連合)大勝、PS(社会党)他左派敗退、FN(国民戦線)進出。

26日:エアバス・ヘリコプター社は、Avic社(中国)と産業協力協定を結び、民間輸送用ヘリ(EC175、1000機、約58億ユーロ)を両国で生産予定。
 

4月

3月20日(報道は4月15日):イーストル空軍基地(ブーシュ・デュ・ローヌ県)を離陸した軍用無人機(欧州戦闘ドローン'nEUROn')が、史上初めてビジネス用ファルコン・ジェット機及び戦闘機ラファルBと編隊飛行した(プロヴァンス上空3000mを時速550kmで約1時間50分)。将来は有人乃至無人航空機数十機で編成される戦闘機部隊に編入の予定。

2-7日:ITER(国際熱核融合実験炉)建設計画に関し、トカマク(型磁気閉じ込め装置)建設用大型部品のベール-カダラッシュ間(105km)試験輸送が実施された。

4日:ミディ・ピレネ州は、フランスで唯一、失職者数(100名に対し)を新規被雇用者数が(104名と)上回る「再工業化進展州」であると判明(5年間で差し引き1861人の増員)。 (同州の航空宇宙産業の隆盛に負うところ大であるも、金属製造、化学、食品も健闘。)  管内の他の州は全て失業者数が上回っている。ラングドック・ルシオン(83)、プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール(67)、ローヌ・アルプ(52)、オーヴェルニュ(46)、コルシカ未集計(全仏平均:52)。欧州では10地域ほどで同様の再工業化が認められる(カタロニア、バスク、バヴァリア、ロンバルディア等)。

10日:「テロ行為を企てる犯罪者集団」に属した罪でパリの重罪裁判所から有罪宣告(禁固7年)を受け、マルセイユ潜伏中の男(氏名不詳、23歳)が巡回中の警察官に逮捕された。ジハディストとしてパキスタン・アフガニスタン地域に幾度も滞在経験があり、マルセイユにある自分のアパルトマンを集団に提供し、国内でのテロ行為を計画していた。

10日:自動車のナンバープレートにつける県番号が自由選択制になって以来、コルシカとは縁もゆかりもないのに同県番号(2A、2B)を選ぶ者が増えている。これは、大陸仏人にあるコルシカ島民に対する先入見を逆手にとったもので、他の運転者に無謀な運転をさせないための用心と解されている。また島を訪れる他県番号の車の中にも入島時にコルシカ番号のステッカーを貼るものが見られるとか。

13日:エアバス・グループ傘下のエアバス防衛・宇宙社は、競合2社を制し、天気予報に飛躍をもたらす次世代欧州衛星の建設権を獲得(約15億ユーロ)
 

5月

4月25日:コルシカ領土議会は、「5年来島の住民」である者だけが島内の不動産を購入できるとの条例案を採択した。住居の40%以上が別荘となっているコルシカ(他県では6%に対し)では、不動産価格の高騰により島民にとって取得は年々困難になっている。

22日:マルセイユは、2013年、会議都市として仏ではパリに次いで2位であった。世界では74位(2012年142位)。医療・科学関係会議が飛躍的に伸び、「2013年欧州文化首都」指定が市の印象を好転させたことも関連(457の会議に32.7万人が来訪。ニース、カンヌは後に続く)。

22日:モハメッド・メラ(2011年3月、トゥールーズ他で仏軍兵士3名、ユダヤ人学校校長及び児童4名を殺害した自称アルカーイダのイスラム過激活動家。警察との銃撃戦で死亡)の姉スアッド・メラ(36歳)が警察の監視を逃れ、4人の子供と行方をくらました。シリアにいる伴侶の下に赴いたのではないかと疑われている。

25日:欧州議会議員選挙実施 全仏でFNは大躍進、UMPは後退、PSは敗退した(管内の仏南東及び南西選挙区も同結果)。

26日:ジェムノス市(ブーシュ・デュ・ローヌ県)にある紅茶等製造のフラリブ社従業員は、親会社のユニレヴァー社(米)との3年半以上に及ぶ交渉の末合意に達した。(2010年9月、ユニレヴァー社は、フラリブ社閉鎖を決定したが、従業員が反対して工場を占拠、親会社と交渉を継続していた。今回の合意に基づき、ユニレヴァーはフラリブ従業員による労働者協同組合の創設費用(1900万ユーロ)を負担し、従業員側は係争中の司法案件を保留する)

30日:マルセイユで、ブリュッセル・ユダヤ博物館テロ殺傷事件(5月24日発生、3人死亡)の容疑者が拘束された。アムステルダム発長距離バスの乗客を税関職員が抜き打ち検査しメフディ・ネムーシュ(29歳)の所持品からピストルやカラシニコフ銃が発見され拘束に至った。同人は、2012年末からシリアで1年以上に亘り、過激戦闘集団「イラクとシャームのイスラム国(EIIL)」に属して「聖戦」に参加したと見られている。
 

6月

1日以降:各地でアンテルミッタン(俳優や舞台技師等映画や興行に従事し、雇用と失業を繰り返しながら断続的に労働する者。就業中の積立額と時間数とに応じて特別枠で失業手当が支給される)が失業保険改革法案に反対して罷業を実施し、マルセイユ、モンペリエ等でもダンス、ジャズ或いは演劇等恒例の催し物が一部乃至全部中止となり、地元経済に深刻な損失を及ぼした。アヴィニヨン国際演劇祭(7月4-27日)も開催が危ぶまれている。

8日:マルセイユは、仏ではパリに次いでテレビ報道の多い都市であった(2009-2013年に2103回)。3位トゥールーズ(1281回。内720回はモハメッド・メラ事件(2012年)関連)。但し、マルセイユ関連の内訳は、抗争に絡む殺傷・強盗・密輸・暴力事件(203件、40.6%)が首位で、政治(71件、14.2%)が2番目。文化や「欧州文化首都」については3位にすぎない(63件、12.6%)。報道機関はマルセイユを3面記事の宝庫と見なしており、ゴーダン市長はこれを「マルセイユ叩き」と呼んで、「絶えず無実の言い訳をさせられる」理不尽を訴えている。一方犯罪専門家は、マルセイユの犯罪状況は同規模の他都市と変わらず、市民の抱く不安は公共物の破損や公衆道徳の欠如に負うところ大と分析。

23日:ユネスコの世界遺産委員会は、ポン・ダルク(アルデッシュ県)にあるショヴェ洞窟を世界遺産名簿に登録した。(1994年発見。人類最古と見られる3.1万年前、旧石器時代の洞窟画1000点以上を擁する。日本の富岡製糸工場も同時に登録された。)

25日:コルシカ民族解放戦線(FLNC)は、武装闘争の放棄及び地下活動からの漸進的脱却を行う旨の声明を発表した。同時に、「今後、コルシカ及び仏での軍事行動の責任は負わない」旨述べた。FLNCは、従来停戦表明を出したことはあるが、武装闘争路線の放棄を謳ったのは創設(1976年5月)以来初めてのこと。
 

治安関連

仏各地で治安当局によるイスラム過激活動家の検束が実施された。

2日:パリ周辺地域、ラ・ギャルド市(ヴァール県)他でジハディストと見られる5人が拘束された。兵士募集役を担っていた模様。

3日:トゥールーズ及びその周辺地域でジハディスト網の検束を目的とした家宅捜索実施。

12日:グルノーブル地域で、シリアでの「聖戦」に参加する兵士募集をしていたチュニジア人男性(28歳、滞在許可証保持)が検束され本国に送還された。

17日:内務省によると、ニーム(ガール県)及びアヴィニヨン(ヴォクリューズ県)で4人の仏人が「テロ行為準備のための犯罪者集団」容疑で拘束された(男女各2名)。男達はシリアに滞在の経験あり。捜査対象となった「ニームのシリア・ルート」は、過去1年にガール県の若者約20名(大半はニーム市から)をシリアに送るため募集していた。
 

7月

6月25日-7月9日:経営不振のコルシカ・地中海海運会社(SNCM)の存続が問われる中、労組がストを実施した。これに伴い船舶発着港並びに巡航客船寄港先も急遽マルセイユからトゥーロンに変更された。マルセイユ地域経済は影響を蒙り、バスティアでも物流が滞り、SNCM事務所が破壊されるなどした。結局、12月末まで猶予期間を設け、新たな買い取り先を見つけることで労使が合意、ストは終息した。

1-3日:マルセイユ自治体共同体(MPM、議長UMP)では清掃・塵回収作業を現行の「一回りで終い(fini parti)」ではなく、正規労働時間(7時間/日)に則り行うよう求めたが、労組(FO)は既得権喪失に抗議してストを実施した。州会計検査院は、清掃作業員の平均労働時間は規定の半分(3.5時間)と非難し、マルセイユ行政控訴院も違法と判定。

6日:ピレネー山脈での熊の再放獣(かつて放たれた熊が事故死したことから、再放獣を巡る議論が再燃)についてロワヤル環境相が「(ピレネーは)再放獣に適さない」と述べ、地元関係者の間で賛否両論を巻き起した。環境保護論者が環境相の辞任を要求したのに対して、農業従事者は声明を歓迎。

17日:地中海では、イワシやカタクチイワシを初めとする魚の漁獲量および個体の大きさが年々減じており警鐘が鳴らされている(EUの地中海漁業委員会の報告では魚類34種中85%は漁獲過多の由)。

17日:ペルピニャン(ピレネー・オリオンタル県)で農業組合員(FDSEA)等150名が、スペインからトラックで輸送中の桃やネクタリンを押収し、自ら運んだ桃と共に路上にぶちまけた。農民は、スペイン産果物がダンピングに加え、旬に先立って市場に溢れ、仏産を駆逐していると抗議。

19日:管内各地でパレスチナ支援デモが実施された(マルセイユで4000人、トゥールーズで500人が参加。14日、ニースでは知事による禁止にもかかわらず数百人が参加。一方、ガップではユダヤ人女性の住むアパルトマンへの投石等の暴力行為も少数ではあるが見られた)。他方、27日にはマルセイユでイスラエル支援デモが実施された(2000人参加)。

23日:欧州委員会は、格安航空会社のライアン・エアーに対し、同社がニーム空港に乗り入れるにあたり自治体から受け取った補助金が公正な競争を害するというエア・フランス社の訴えを認め、払い戻し(640万ユーロ)を命じた。同社では異議申し立ての構え。ニーム空港側も、関係自治体と反論する構え。

31日:作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは、第2次大戦末期(1944年7月31日)、マルセイユ沖を偵察飛行中、独軍の戦闘機に撃墜され死亡したが、このほどカシス市で70周年記念式典が行われた。
 

治安関連

4日:「聖戦」に参加する為シリアに出発(2013年11月)した未青年(17歳、ニース出身)が、トルコに赴いた父親の説得に応じて帰仏したが、ニース空港到着後「テロ活動を目的とした犯罪者集団」容疑で拘束された。

10日:2013年6月、ソルグ市(ヴォクリューズ県)で検挙された男(30歳台)が、その後の調べでイスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)と共に仏でのテロ計画を1年来練っていたことが判明した。

22日:アルビ(ミディ・ピレネ州タルヌ県)で「暴力的行動」を準備し、シリア聖戦に参加する兵士を募っていたと見られる男2人と女1人が拘束された。

26日:トゥールーズで男がユダヤ関係施設に火炎瓶を投じたが、追跡され拘束された。
 

8月

9-10日:ウクライナ情勢に関連してロシアによる欧州農産物の輸入禁止決定に伴い、行き場を失ったロシア向け欧州産品がフランスの国内市場に溢れつつある。とりわけ南仏では、本来ロシア市場向けのスペイン産ネクタリンやポーランド産りんごが、ラングドック地方産の桃・ネクタリン、或いはタルヌ・エ・ガロンヌ県(ミディ・ピレネ州)産りんごの市場を一層圧迫すると危機感を持って迎えられている。

15日:トゥーロンで第2次大戦時の連合軍によるプロヴァンス上陸70周年記念式典が実施された。オランド大統領他アフリカ諸国大統領・代表等が出席。

18日:ラヴェンダーのエッセンシャル・オイルを2013年欧州議会及び欧州理事会規則(Reach)が化学製品と判断し、右オイルを含む香水他の商品には、毒・危険製品としての表示が義務化されることになった。数年来続くバクテリア被害に加えて業界全体に悪影響を及ぼす新たな問題に関係者は断固として立ち向かう構え。

21日:ヴァール県で、地元で感染したと想定されるデング熱第1号患者が病院に収容された。県庁及び州保健当局は、患者居住区域の蚊駆除作業を行うとともに監視体制を強化。

24日:今春来観測されている移民の流れはマントンからカレーに至るまで続き、イタリアとの国境沿いで取り締まりにあたるマントンやニースの警察官は5ヶ月で1万人という大量の移民流入に追われて疲弊状態にある。不法入国の外国人(エリトリア、スーダン、シリア等出身者)をイタリアに送り還しても再入国を図る上、最近ではイタリア発の切符を破いてどこから来たのか不明とし、送還を免れようとする者が増え、焼け石に水の状態。現場からは然るべき手段と人員の増加を求める声が。

27日:外国に暮らすユダヤ人がイスラエルに移民する「アリーヤー」現象が近年トゥールーズでも顕著になっている。20年前、20万人いた同市のユダヤ人口は、今日10万人に減じたと言われる。イスラエルに出発したユダヤ人の中には、「フランスにいては困難な、ユダヤ人としての暮らしを送るため。トゥールーズで罵詈雑言を浴びて暮らすより、爆弾の脅威の下でもイスラエルの方がよい。」とさえ言う者も。また「ユダヤ人が出て行く国は健全とは言えない。」との声も聞かれる。
 

治安関連

19日:タルブ市(ミディ・ピレネ州)及びリヨン市で各15歳、17歳の若者がシリアのジハード地域への侵入を図った疑いで、仏捜査当局に拘束された。当局では、シリア向け出発という現象とともにジハード候補者中最も過激な分子が帰仏後テロ活動を引き起こす可能性を警戒している。消息筋によると、シリアの活動現場に赴いた者、右現場に移動中の者及び情報当局が今後確実に現場に赴くと判断した者を合わせると900人に上る。

30日:ニース空港で、トルコ経由でシリアへ向かおうとした16歳少女が現場にいたチェチェン人男性(22歳)とともに拘束された。トルコ航空カウンターに航空券を受け取りに来た少女に不審を抱いた係員が警察に通報、両親に問い合わせたところ、娘の出国を知らなかったことが判明。男が斡旋人か、導き人か、仲介者かも含めて取調べ中。7月のジハード防止策施行後初の成功例。
 

9月

1日:シヴェンス(タルヌ県)での灌漑用ダム建設工事が開始され、数カ月来現場を占拠していた反対派がこれを妨げようとして警官隊と衝突した。環境保護、生物多様性に悪影響を及ぼすと懸念する農民連盟やナント近郊のノートル・ダム・デ・ランド空港建設反対派も合流。県議会は建設の正当性を主張。

2日:プロヴァンス地方(ブーシュ・デュ・ローヌ、ヴァール、アルプ・マリティム各県)産ロゼ(葡萄酒)が今夏7000万本販売された。市場占有率は直近15年で10%から30.5%と大幅に伸びた(42.5%の赤に次ぐ)。

4日:欧州裁判所は、SNCM社(マルセイユ-コルシカ、マルセイユ-マグレブ諸国間を結ぶフェリー会社)が国から受けた助成金(2.05億ユーロ)を違法と判断し、同社に返済を命じた。同裁判所が次期裁判においてコルシカ領土議会からの助成金(2.20億ユーロ)の返済を命じた場合、総計4億ユーロ以上に達し、SNCMの解体は必至と見られる。

6日:「21世紀フランスの気候」報告書(エコロジー、持続可能な開発、エネルギー省)によると、気温上昇は2050年に全仏で0.6℃乃至1.3℃、2100年には2.6℃乃至5.3℃に及ぶ。特に南仏は気温上昇が最も顕著で、今世紀半ばには2℃、末には5℃上る。酷暑日も年間20日以上を数え、異常乾燥日は2日乃至8日増え、大寒日は年に6日乃至10日減ることに。

17-18日:ラマルー・レ・バン(エロー県、鳥取県三朝町の姉妹都市)で豪雨に基づく河川の急激な増水によって河岸キャンプ場の4人が死亡した。

28日:上院議員選挙実施。管内ではブーシュ・デュ・ローヌ県及びヴァール県で国民戦線(FN)候補が2人当選し、同党初の上院入りを果たした。左派は、ヴォークリューズ県で1議席を伸ばしたのを除いて今回選挙の実施された全23県で議席数を減退乃至は維持するにとどまった。反対に右派は、12県で議席を伸ばし上院全体での過半数奪回に寄与した。
 

治安関連

8日:イゼール県在住の1組の男女が子供4人を伴ってジハードに参加する為トルコ・シリア国境に行方をくらまし、当局で捜査中。

16日:リヨン近郊でジハーディスト家族の活動が暴露され、計6人が拘束された。数ヶ月来、若い女性がシリアに向けて出発する便宜を図っていた容疑。

20日:マルセイユ空港で少女2名(PACA州及びサルト県の16歳と17歳)がトルコ行き航空機に乗り込もうとして国境警察に拘束された。両名は数日前に家出し、ジハードに加わるためシリア行きを図っていた模様。

21日:アルジェリアのティジ・ウズー県近郊(アルジェ東110km)で仏人旅行者集団が山歩き中、イスラム過激派(「イスラム国」)に襲われ、ニース在の仏人山岳案内人(55歳)が誘拐された。犯人達はフランスがイラクへの軍事介入を中止しないと人質を殺害すると脅した後、24日殺害を表明した。}

23日:トゥールーズ方面からジハードに参加する為シリア入りしていた3人の男がトルコを発ってフランスに再入国した(内1人はモハメッド・メラの姉夫、他の1人はメラの友人)。仏治安当局は、当初トルコが通知した到着空港のオルリーがマルセイユに変わったことを知らされておらず、3人は拘束されることもなくマルセイユ市内の繁華街をぶらつくという珍事となった。

26日:ニース空港でトルコから帰国したフランス人の男(20歳未満)が拘束された。イラクないしはシリアの戦闘地域から帰還した模様。
 

10月

6日:「イスラム国」が40万人のクルド人が住むシリアのコバネ市で3地域を制圧した時、約250名のクルド人がマルセイユ市内PACA州議会前で、同じく約100名がマルセイユ空港で「コバネは孤立させない」と叫んでデモを行った。4日には約5000人が市の繁華街を練り歩いた。マルセイユには8000人のクルド人が在住しているが、コバネには彼らの家族や近親者がいる。マルセイユのクルド人協会代表は、「連合国及びフランスが(「イスラム国」によるクルド人)虐殺を避けるため、そしてトルコがこの戦争で二股をかけることなく直ちに行動する」よう訴え、「クルド人に貼り付けたテロリストのレッテルを取り除く」ことを求めた。ニースやモンペリエなどでも規模は小さいが同種の集会が実施された。

16日:エアバスは、インドの航空会社インディゴ社からA320Neo型機250機(約250億ドル)を受注した。

26日:シヴェンス(タルヌ県)での灌漑用ダム建設工事をめぐり建設反対派と憲兵隊とが激しく衝突し、男性が死亡した。28日、県議会はとりあえず工事保留を決定した。

29日:エアバス・グループの防衛・宇宙部門は、インドのTata Advanced Systemsと組んで、C295型機をインド軍の後継輸送機として納入する旨発表した。(56機納入の予定。初めの16機は欧州で生産、残りはインドで組み立て)
 

治安関連

9月末:ニースの家族11人(祖母、子供3人とその伴侶ら、孫4人)がシリアに向けて出発。(報道は10月)

10月5日:ヴィルフォンテーヌ(イゼール県)在の15歳の家出少女が4日後マルセイユで両親によって保護された。本人はジハードのためシリアに向かう途中であったが、マルセイユで、「あれは本当のイスラムではない」と人に諭され気が変わったと証言。

18-19日:リュネル(エロー県)からシリアにジハード戦士として入国した若者4名(19-30歳男性)がシリア軍による爆撃で死亡した。リュネルからはこれまで約15名が集団でシリア入りし、数カ月から1年来、同国で活動している模様。家族や夫婦で入国した者もあり、乳児を抱えた母親も複数いる。リュネルでは、つい数カ月前まで女の子を誘ってディスコに通っていたような若者がどうしてこのように命を終えたのか全く不可解という住民もおり、怒りと羞恥心に町は覆われている。

20日:マルセイユ在の19歳の女性が航空機でトルコ入りしたところを尋問され、フランスに戻った。女性は1年来、ニカブを纏いイスラムの教え(及びシャリア)が実行されている国で生きることを望んでいたことから、ジハードに参加するためシリアに入国することが目的であったのではないかと疑われている。本人は観光目的と主張。

28日:アヴィニヨンから18ヶ月の娘を奪ってシリアに向かった父親(26歳)がトルコ当局に検挙され(8月末)、強制送還先のパリ・ロワシー空港で逮捕された(子供は9月初めトルコで母親に引き取られた)。

31日:10月、フランスにある7か所の原子力発電所の上空を未確認の無人航空機(ドローン)が飛行した。原子力関係者や環境保護団体からは施設の保安体制に疑問を投じる声も出た。
 

11月

1日:「コバネ支援世界行動の日」、マルセイユでは約3000人が参集し「イスラム国」に異議を唱え、クルド支援を訴えた。(上記10月6日参照)

1日:単発ヘリコプターによる都市上空の飛行を禁止する欧州連合の指令(10月28日施行)によって、ヘリ航空業者のみならず、生産者であるエアバス・ヘリコプターも大きな影響を蒙ると懸念されている(同社ヘリ生産の30%は単発機)。

5日:農業規制の増加及び強化に反対して全国で農民が抗議行動をとった(3.5万人)。トゥールーズでは3000人以上がトラクター400台を駆って家畜糞尿や堆肥(17t)を市中にばら撒き、ヌートリア(齧歯類)50匹を放つなどして窮状を訴えた。

12日:欧州宇宙機関の彗星探査機ロゼッタを離れた着陸機フィラエがトゥールーズからの遠隔操作を受けてチュリモフ・ゲラシメンコ彗星に到着した。彗星への着陸は人類史上初の快挙。

21日:カデール・アリフ国防大臣付退役軍人担当長官が辞任した。兄(又は弟)及び甥の経営する会社がミディ・ピレネ州との公契約を入札なしで得た件(約900万ユーロ)に関し、同長官が便宜を図った容疑で予審が開始されたことを受けて。

21日:ITER理事会は、本島修機構長の後任にベルナール・ビゴ(仏原子力・代替エネルギー庁)代表を選出した。

25日:ニースのホテル業界関係者を中心とする経済代表団が東京・鎌倉・大阪を訪問しコート・ダジュールへの観光、エコヴァレー(先端産業や持続的成長を謳う工業団地)への企業招致を勧誘した。

25日:州制改革案が国民議会で採択され、22州から13州となった。これにより当館管内は、プロヴァンス・アルプ・コート=ダジュール、ミディ・ピレネ・ラングドック・ルシヨン、コルシカ及び在リヨン領事事務所管轄のローヌ・アルプ・オーヴェルニュの全4州から構成されることに}

28日:マルセイユ商業裁判所は、コルシカ地中海海運会社(SNCM)に対し、4日の倒産申し立てに基づき、裁判上の更生手続きを決定した。観察保護期間中(2015年5月28日迄の6ヵ月)、同社は活動を継続するが、更生のための措置(約800人の従業員整理)も執られ、企業買収のための国際競争入札が公告される予定。

30日:地中海沿岸を襲った豪雨によって河川が氾濫し、ピレネ・オリオンタル県やヴァール県で死傷者が出た。
 

治安関連

5日:娘2人(4歳と2歳)を連れて母親に無断で仏から出身国のモロッコに出国したジハディストの父親がカサブランカで逮捕された(10月15日)。タルブ(オート・ピレネ県)近郊に住む母親は、子供を取り戻すべく国王モハメッド6世に書簡を宛てたところ、司法手続きを経て子供は仏に還されることとなった。

6日:アヴィニヨンからシリアに赴きジハード戦士として戦闘に参加したと疑われる男性2名(25歳と26歳)が、アヴィニヨンに戻ったところを「テロ活動準備を目的とする犯罪者集団」容疑で逮捕された。

25日:「イスラム国」宣伝用ヴィデオ上で、「不信心の者を殺すべし」とフランス語で唱え、旅券を焼く3人のフランス人と目される男性の内1人がラバスティード=ルエルー(タルヌ県)の者(26歳)であることに住民が気付き、人口1400人の小村に衝撃を与えた。1年程前に、妊娠中の妻と幼児を伴いトゥールーズからシリアに向かったと推測される。

26日:アルジェリア司法相は、去る9月、同国ティジ・ウズー県近郊を旅行中のニース在フランス人を誘拐後処刑したイスラム過激派(「カリファの兵士達」)の犯人の内1人を殺害した旨公表した。アルジェリア軍が被害者の遺体を捜索中、暗殺集団(約15名)を発見した模様。}
 

12月

11月28日:マルセイユ商業裁判所は、コルシカ地中海海運会社(SNCM)に対し、11月4日の倒産申し立てに基づき裁判上の更生手続きを決定した。同社は、観察保護期間中(2015年5月28日迄の6ヵ月)も活動を継続するが、更生のための措置(約800人の従業員整理)も執られ、企業買収のための国際競争入札が公告される予定。

3日:コルテ(オート・コルス県)で独立派民族運動によるデモが実施され(400人参加)終了後約100名が石や火炎瓶を投げるなどして憲兵隊と激しく渡り合った。負傷者なし。

4日:政府は、トゥールーズ空港の一部民営化に際し、資本の49.99%を中国の企業集団Symbioseに譲渡する意向(3.08億ユーロ)を表明した。同空港は仏で第7番目に大きい。政府は、リヨン、ニース両空港についても一部株式の民営化を検討中。

8日:マルセイユ市でホテル東横イン建設工事着工に当たっての地鎮祭が行われた。二つ星、8階建て、231室で2016年5月完成予定。

18日:2009年6月に発生したイエメニア航空(イエメン)機墜落事故につき、ボビニィの大審裁判所は、原告の3家族に120万ユーロの賠償を認めた。犠牲者152人中、帰省途上にあったマルセイユ在のコモロ人が多数を占めた。
 

治安関連

9日:内務治安総局(DGSI)と司法警察がマルセイユで男3名、女2名を検挙した。ブリュッセルのユダヤ博物館殺害事件(被害者4名)被疑者のメフディ・ネムーシュ(マルセイユで逮捕)は、上記協力者によってマルセイユに匿われる予定であったと見られている。

15日:イール・ド・フランス、オート・ノルマンディ、アキテーヌ及び当館管内のミディ・ピレネ各州でイスラム過激活動家のシリアへの送り込みを行っていた組織が暴かれ、約10人が検挙された。ミディ・ピレネのトゥールーズ(オート・ガロンヌ県)とグロレ(タルヌ県)では、男3人(内2人は兄弟)、女1人の検束が行われた。

17日:内務省によると、2014年、ジハードに関連する仏人の数は1200人(前年に比べ倍増)。シリア又はイラクにいる仏人乃至仏滞在資格のある外国人390人,シリア又はイラクに合流すべく出立した者231人、死亡者60人。帰仏者185人。}

22日:アルジェリア軍は、去る9月、同国ティジ・ウズー県近郊を旅行中のニース在フランス人男性(55歳)を誘拐し斬首したイスラム過激派「カリファの兵士達」の首領アブデルマレク・グリ(37歳)及びその部下2名をアルジェの東60km地点で殺害した。軍の兵士約3000人が追跡に当たっていたもの。}