2016年の主な出来事

2017/7/18
2016年、当館の管内でおこった政治、経済及び社会面での主要出来事を地元紙及び全国紙から抜き出しました。管外で生じた事項でも特に管内との関連が深いものについては、{ }内に記載してあります。(敬称略)
 


1月

18日:パリの首相府でコルシカ執行議会シメオニ議長とコルシカ議会タラモニ議長がヴァルス首相と第1回会合を持った。コルシカ側が求める、「政治犯」の恩赦、公用語としてのコルシカ語の承認、島外者による土地投機を防ぐための島住民資格の設定、コルシカ分権を認める憲法改正につき協議。議論は平行線をたどるも協議は続行することで一致。

18日:昨年11月から続く南西フランスにおける鳥インフルエンザの蔓延を防ぐため、政府は鴨・鵞鳥の雛鳥生産を6ヶ月間禁止した。感染は69箇所に達し、今回の措置で業界の被る欠損は2.5-3億ユーロに上る模様。26日 、フォル農相は、仏南西部18県の関係農家に予防措置に伴う欠損助成金として1.3億ユーロを拠出する旨発表。

21日:フレジュスにモスクが完成したが、市長(FN)が国務院の判定に従わず、開館を許可しなかったことから、同院はヴァール県知事に市長に代わって仮の開館許可を出すよう命じた(前代未聞の出来事)。モスクは、信者の寄付によって完成したが、前市長(LR)の与えた建築許可や駐車場規模に不正があったとして現市長が解体を求めて係争中。

22日:2015年マルセイユ港実績 取扱量8170万トン(前年比4.1%増)で欧州6位に後退(ロッテルダム、アムステルダム、アントワープ、ハンブルグ、アルヘシラス(西)に次ぐ)。他方、大型の客船やコンテナ輸送船の停泊を可能とする港湾拡張を検討中。

25日:WWFは、その報告書の中で地中海が「燃え尽き症候群」に近い状況にあると指摘、対策を急ぐよう唱えた。報告によると、2030年までに表面積の40%が石油関連の搾取で覆われ、海運活動は倍になり、沿岸部には観光客5億人以上が来訪、2025年には5000kmがコンクリートで覆われる。「地中海に持続的経済を産み出すには、産業、政府、市民社会他全ての関係者が、成長経済と資源管理に基づく将来像を検討するべし」と警告。
 

治安関連

1日:ヴァランス(オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ州ドローム県)のモスク前で歩哨に立っていた兵士を轢き殺そうとした男(29歳、チュニジア系仏人)が兵士の銃撃により重傷を負った。検察はテロの可能性を否定しつつも同時に動機は不明瞭と発表した。

11日:マルセイユ市内のユダヤ人学校前で35歳の男性教員が少年(15歳)に鉈(なた)で襲われ、手や背中を負傷した。少年は、数分後自宅で警察に連行されたがクルド系トルコ人で、犯罪歴も精神異常歴も無く、情報部にも知られていなかった。右事件を機にキッパ着用の是非がユダヤ人地域社会で論議の的に。なお、ユダヤ人による聖地イスラエルへの移民(「アリーヤー(上昇)」と称される)は、全仏で2015年7900人(前年比10%増)、マルセイユで500-600人(推測)といわれる。以前は20-30代及び退職者に多かったのが、ここ2年来家族での帰還が増大。

24日:ペンヌ・ミラボー(ブーシュ・デュ・ローヌ県)在の女子中学生(13歳)がソーシャル・ネットワーク上でイスラム原理主義に感化され、放校処分を受けた後、家出を繰り返し、6日間さまよった末ペリグー(ドルドーニュ県)で警察に保護された

 

2月

5日:1月、マルセイユ15区の小学校教諭が教育・都市相に宛てた公開書簡で、勤務先小学校の不備を列挙し、暖房故障、壊れた窓、壁の亀裂、頻繁に起こる停電、汚れた便所、鼠・油虫の存在等、低所得層の子弟が蒙る社会的格差が義務教育段階で制度化されていることを指摘した。同書簡は全国紙に掲載され、政治家たち(市長、当該区長、教育相)が弁明に努める事態となった。市は急遽問題校に応急措置を講じバスを雇って報道陣に公開し、教育相は知事に対して市長に代わって問題解決に当たるよう命じるなど、戯画的展開となった。

13日:仏北部ランスで行われたサッカーのランス対バスチア戦でバスチア・ファンと機動隊との間に衝突が発生し、その渦中で一人が片目を失明した(被害者マクシム・ブー(22歳、学生)及びシメオニ執行議会議長(民族主義派)によると「警察官が顔面に向けてフラッシュ・ボールを撃った」、反対に検察発表では、「本人が転んで鉄柱に激突した」と不一致。またその後の報道は「重傷」とは記しても「失明」の語は用いず)。試合中から市内では一部ファンと機動隊との間に睨み合いが続き、ファンから機動隊に向かって、「知事は始末した(1998年2月のエリニャク知事暗殺を指示)。だがまだまだやる。フランス野郎は片付ける。バタクラン(劇場)、クアシ兄弟(共に2015年に生じたテロ事件)もお前らを始末した。xxったれが。」といった挑発的な悪罵が浴びせられた。衝突によって未成年一人を含む若者8人が拘束された。 15日、コルテ(オート・コルス県)の憲兵隊前に上記事件で拘束されたバスチア・ファンを支援するため約500人が参集したが、そのうち覆面やフードを被った学生を中心とする数十人が、憲兵やその家族の同居する兵舎に向かって石や爆竹を投げ入れ、建物や監視カメラを損壊した。憲兵隊側でも催涙弾で応酬。なお、同日予定されていた上記8名の公判は3月に延期された。コルテ大学では学生組合が全学休校を宣言し、抗議集会を実施。 16日、コルテの郡庁前に参集した200名ほどのデモ隊のうちの一部と機動隊との間に再び緊張が生じ、機動隊に向けて火炎瓶が投げつけられ、隊員1人が負傷した。学生一人(レミ・ディ カロ)が現行犯で逮捕。2日後、同人に対し10ヶ月の禁固刑(内5ヵ月執行猶予)が宣告されボルゴ刑務所に収監。コルシカ側では、島住民がまたもや仏権力によって不当に取り扱われた例として怒りを新たにし、緊張が高まった。 20日、バスチアで、一連の事件に「正当な裁き(justice)」を求めてデモが実施され、同市サッカークラブのファンと学生を中心に数千人が参加した。大事には至らず。

19日:憲法院は、エクス・マルセイユ・プロヴァンス大都市圏議会(MAMP。2015年11月成立)の自治体別議席配分を合憲と判断した。これにより1月1日来、凍結状態にあった議会が本格的に始動することとなった。

25日:ガール県ヴィガンにある家畜屠殺場で、隠しカメラで捕えた羊や豚に及ぼされた屠殺時の残虐行為が、動物虐待を告発する協会の手によってウェブサイト上で公開された。当該施設が産地直売かつ有機食品の認定を受けていたことも手伝って大きな反響を呼んだ。検察当局は予審を開始。

26日:フレジュスに完成したモスクをめぐり、前市長(LR)の与えた建築許可や駐車場規模に不正があったとして現市長(FN)が解体を求めて係争中であった件に関し、ドラギニャンの軽罪裁判所は、被告のモスク管理団体に、期限内の工事着手を怠り、浸水可能地域にあることを考慮せずに建設したとして、罰金刑(6万ユーロ他)を宣告した。判決は原状回復を命じなかったことから、モスクは破壊の危機を免れた。
 

治安関連

23日:テロリスト的性格を帯びた過激化した人物に関する秘密名簿(FSPRT)によるとブーシュ・デュ・ローヌ県で対象とされる人数は550名に上る(全仏では11500人)。特に厳格なサラフ主義の浸透が観測されており、そこではイスラム指導者は「イスラム国」を批判こそすれ、同時に共和国の原理と背反するような規律を説いている(男女間での握手の拒否、女子に学校へ行かぬよう説教する等)。警察知事も、若者が過激化する場所は突き止めていても、証明するのは容易いことではないと認める。過激化の主な理由に挙げられるのは、「イスラエル-パレスチナ衝突」、「真のイスラムに生きたいとの願望」であるが、彼らのイスラムについての知見には極めて貧しいものがある。
 

3月

4-9日:名古屋商工会議所航空機ミッションが、トゥールーズ(4-5日)、アルザス(6-7日)、マルセイユ(8-9日)を訪問した。

9、17、24、31日:労働法改正に反対して高校・大学生を中心にデモが実施された。マルセイユ及びトゥールーズで約6万人(31日)が参加、他の都市でも動員数は日を追って増加した。

10-11日:マルセイユでエクス・マルセイユ大学スクール・オブ・エコノミクスが日仏経済セミナー(革新と競争)を実施した。

14日:アレス(ガール県)で70歳男性が30年来、地元農家で奴隷状態に置かれ、搾取されていたことが判明、農場主(77歳)が禁固刑(執行猶予付き18ヶ月)及び被害者に対する損害賠償(18.5万ユーロ)支払いの宣告を受けた。被害者の保佐人は、自ら手を尽くして給付されるように計らった公的補助金が農場主に横領されていたことを知って愕然としたと証言。

14日:アジャクシオ及びバスティアにあるコルシカ2県の県庁が、若者を中心とする数十名の民族主義者に占拠された。収監中の「政治犯」への恩赦や待遇改善を要求しての示威行動。コルシカ知事は「政治犯」は存在しないと従来の見解を表明。

16日:東地中海及びペルシャ湾で、シリアにおける「イスラム国」爆撃任務に就いていた原子力空母シャルル・ドゴールが作戦を終えて4ヶ月振りにトゥーロン港に帰還。

16日:トゥールーズの政治学院で鈴木庸一在仏日本大使が講演。

24日:ル・ヴェルネ(アルプ・ド・オート・プロヴァンス県)でジャーマンウィングス航空機墜落事故一周年追悼式典が遺族参列の下実施された。

24日:リヨン大司教管区のバルバラン枢機卿は個人名でと断った上で、管区の司祭が犯した児童に対する性犯罪に赦しを乞うた。犯行時(1986-1991)、同人は枢機卿職にはなかったが、後日、成人した被害者が真相を伝えたにも拘わらず、問題の司祭に何らの制裁も加えず、司祭を児童から遠ざける措置も取らなかったとして、数週間来批判が続いている。また別の複数司祭による類似の犯行も明らかとなり、リヨン・カトリック界の深淵部が明らかになりつつある。
 

治安関連

25日:カズナーヴ内相がマルセイユを訪問、イスラム主義者のテロ対策につき関係者を前に説明。
 

4月

3日:バタクラン劇場襲撃テロ事件(2015年11月13日)で犠牲者の一人となったモンペリエ大学学生ユーゴ・サラッド(23歳)を記念して、日本を愛した故人に因んで日本留学を希望する大学生を対象とする奨学金が設立された。発起人である父親は、「外国に暮らして視野を広めることは、蒙昧主義に対する戦い」と趣旨を述べた。

5日:仏南西部18県に及ぶ鳥インフルエンザ防疫策(1月18日実施)によって、フォア・グラ供給の滞ること(ところによっては7割減)が懸念されている。8月末まで生産加工が減速されることから臨時休業や従業員の一時解雇に踏み切った業者も多数。

12日:3月末、マルセイユでネオナチ(Blood and Honour Hexagone)に属すると見られる11人が拘束された。長銃11丁、拳銃2、ナイフ28丁、防弾チョッキ等押収。3月5日、イゼール県でネオナチ等約400人による集会が秘密裏に催されたが、村人が騒音を訴え、出動した憲兵隊がネオナチの歌が大声で歌われているのを目撃し、その後の拘束に繋がった。

13日:マルセイユのサッカー・チームOMの所有者がチーム売却を決定した。今後買収先を探すことに。

28日:労働法改革案に反対するデモが全国複数都市で実施され、少なくとも17万人に及ぶ勤労者や学生が参加した。この集団行動の一端では、激しい衝突が繰り広げられ、重傷者や数十名に及ぶ検挙者が出た。全国で124名が検挙されたが、そのうち半数近く(57名)がマルセイユで発生。3月に始まった改革案反対行動は、今回4度目の動員を迎え参加者数は若干減ったが、運動の長期化と共に、暴力の激化が懸念されている。
 

5月

3日:国際熱核融合実験炉(ITER)機構は、次期理事会で、プラズマ生産の予定時期の延期を含む行程表の見直し及び超過財源の採択を行う予定。それによると2020年に設定されていた第1号プラズマの生産は2025年に延期され、財源の追加額は40億ユーロに達し、ITERの総額は180億乃至200億ユーロになると算出されている。

17日:労働法改革法案反対派が6度目の統一行動を実施した。動員数は各所で低下しているものの(マルセイユでは警察発表で6200人、CGTによると8万人。全仏では、6.8万人乃至22万人)、運動は先鋭化。グルノーブルにある社会党イゼール県連事務所に銃弾が撃ち込まれる(23日)など、数週間来、トゥールーズ、リヨン他で社会党関係事務所が標的となる破壊活動も発生。

24日:コルシカのアジャクシオで生じた若者による学校荒らしや放火(2015年12月発生)に抗議して集会に参加した一部が事件現場近くのイスラム礼拝室を荒らし、コーランや宗教書の一部を焼いた事件に関し、5人が拘束され、内3人に対し予審開始が決定した。全員前科はなく、警察当局に知られていない24-30歳の若者であった。

27日:ブリュニケル洞窟(ラングドック=ルシオン=ミディ=ピレネ州、タルヌ=エ=ガロンヌ県)で17.65万年前のものと見られるネアンデルタール人存在の痕跡が確認された。地下330m地点に2トンに及ぶ石筍(鍾乳石の直下の洞床に筍状にできる炭酸カルシウムの堆積物)が100m以上に亘って意図的に並べられており、研究者によると、意味は不明であるが、従来のネアンデルタール人像を越える彼らの社会生活を物語る証左と見られている。

29日:エアバス社は、軍用輸送機A400M型機の開発に当たり、「大きな誤り」を犯したこと、それが原因で開発・納入が今に至るまで遅れていることを認めた。同機用「新型エンジンの開発に当たって、課題を過小に評価し、欧州企業優先にこだわる関係国政府の主張を受け入れて、経験に乏しい独・仏・英・西からなる企業集団に開発を託し、責任はエアバスが被る形で着手したことが後々まで尾を引くことになった。」と社長自ら説明。開発遅延、費用増加にも拘わらず、輸送機として将来性のある同機の開発を今断念するのは誤りと擁護した。
 

6月

5日:ニースのカフェでラマダン期間中にアルコールを給仕したとしてウィトレスに平手打ちを与えた不法滞在のチュニジア人に対し、軽罪裁判所は8ヶ月の実刑、3年間仏入国禁止及び女性に1000ユーロを賠償する旨の判決を下した。

11日:マルセイユ市内の競技場で行われたサッカー欧州選手権イギリス対ロシア戦に伴い、市中心部の旧港付近で両国のフーリガンが衝突、地元の若者も加わって路上で格闘を展開し、負傷者35名(大半は英人、内1人は瀕死の重傷)が出た。以後カズナーヴ内相は、「潜在的危険地域」での前日並びに当日のアルコール販売を禁止した。欧州サッカー協会(UEFA)は、英国とロシアに対し、「新たな暴力的衝突」に至った場合には、両国を欧州選手権から排除する旨警告した。 14日、マンドリウー=ラ=ナプール(アルプ・マリチム県)でロシア・チームの応援者ら43名が勾留され、2人に禁固刑(1-2年)、ロシア応援団協会代表(アレクサンドル・シプルィギン。ロシア・フーリガンの首領的存在、今回の一連の騒擾の起案者とみられている。同国の極右政党に属し、プーチンにも近いと言われる)には国外追放が宣告された。ロシア外相は外交問題に発展すると警告。なお、シプルィギンは、その後再び仏入国したが、トゥールーズで拘束、21日再追放された。

23日:トゥールーズで、ミディ=ピレネ=ラングドック=ルシヨン州の企業500社が参加して貿易促進国際フォーラム(Destination International)が開催された。日本が招待国に指定され、日本市場への投資・輸出をめぐり講演や商談が実施された。
 

労働法改革

14日:マルセイユで労働法改革に反対して約5000名がデモを実施。モンペリエでも2600人が参加。

17日:マルセイユの石油基地港(フォス及びラヴェラ)では、26日に亘って、労働法改革に反対する労組を中心にストが続き、船舶約50隻が沖合で足止めを食い、原油積み下ろしが滞っていたが、このほどストが解除された。
 

英国のEU離脱

28日:英国のEU離脱を支持する国民投票結果に伴い、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール(PACA)州では、外国人観光客の首位を占める英国人の減少が懸念されている。2015年11月及び2016年初頭のテロ事件、悪天候、労働法改革に伴う社会的緊張により、既に日・米の観光客が仏を敬遠するようになっていたが、今回の報せはそれに追い討ちをかける結果となった。

28日:エアバス社は、英国内で1.5万人の従業員を雇い、同社全機種の翼を製造している。公式には、今回の投票結果による事業への影響は当面はないとされているが、欧州企業を名乗る同社社長は「英国への投資戦略の再検討が当然必要になる」と表明。A320型の後継機開発に占める英国の比重が低下するであろうことを示唆した。
 

治安関連

13日:カルカッソンヌ(ラングドック=ルシヨン=ミディ=ピレネ州オード県)で、アメリカ人やロシア人を対象にテロを実行しようとしていた容疑で、イスラムに改宗した男(22歳)が検挙された。男はリュネル(同州エロー県の自治体。既に30人のシリア行き青年が出ている)出身で、テロ対策部にも知られていた。
 

7月

15日:ITERに関し、ビゴ機構長は、日程の5年遅れ(ママ)を公表した。核融合の技術上の制御可能性が明らかになり、経済的採算を判断する上で目途となる実験炉の最速運転は2035年(2025-2027年ではなく)に延期された。遅れによって生じる予算の増加は、2007-2035年で186億ユーロとなり、当初予算の3倍に。参加国は年末までに予算超過につき自国政府の説得に努める。

18日:ル・コルビュジエ設計による建築物17棟がユネスコの人類世界遺産に認定された。マルセイユにも1200人が居住する「ラ・シテ・ラディユーズ(輝く都市)」と呼ばれる建物がある。

28日:政府は、ニース=コート・ダジュール及びリヨン=サン・テグジュペリ空港を2社に17.6億ユーロで売却した。ニース空港は2044年まで、企業集団アズュラ(Azzurra。Atlanta、ローマ空港及びEDF Investの3社で構成)が経営することになる。政府はニース空港資本のうち自己の持分である60%を12.22億ユーロでアズュラに売却した。残り40%は地方自治体及び商工会議所が従来どおり保有する。リヨン空港は、ヴァンシ・エアポーツを中心とする企業集団(Vinci Airports、Predica及びCDC)が政府分である同空港資本の60%を5.35億ユーロで購入し、2047年までの経営権を取得した。 売却によって得られた金は、国庫の負債補填やとりわけ原子力産業再建に必要な投資に充当される予定(政府はEDF及びアレヴァの増資に80億ユーロを必要としている)。
 

治安関連

14日:ニースのプロムナード・デ・ザングレで花火大会見物客に大型トラックが突っ込み、85人死亡、202人が負傷した。運転していたのは、チュニジア人モハメッド・ラフエッジ=ブフレル(31歳)で警官と銃撃戦の末射殺された。

17日:ニースではホテル予約客の解約や滞在を切り上げる客が相次ぎ、観光業界は今夏の業績に懐疑的。(個人宅宿泊施設(airbnb系)の普及もあいまって、仏各地で観光業界は収益減を記録。)

20日:国会は、ニース・テロ事件を受けて、7月末に終了の予定であった緊急事態宣言の6ヶ月延長を可決した。)

20日:エクサン・プロヴァンス市長は、予定されていた市中繁華街での自転車競技大会を、安全を保障できないとの理由で中止した。25日、マルセイユでも区長が行事を中止。エストロジ(PACA)州議会議長とカズナーヴ内相を中心に、14日の警備体制をめぐり非難合戦が展開された。

21日:「イスラム国」が、パリ、ニース、マルセイユでのテロ行為の激化を通知した。攻撃対象都市としてマルセイユの名が挙がるのは初めて。

25日:「フランス南部防衛・安全圏」に於ける歩哨兵の数がほぼ3倍(750人から2100人)に増員された。警察官・憲兵を支援し、空港・港湾、宗教施設、国境監視を任務とする。
 

コルシカ関連

4日:ヴァルス首相が2018年1月に施行されるコルシカ2県統合、新自治体の創設を伴う領土改革案件につき首相就任以来初の訪問を実施。2015年12月、民族主義者によるコルシカ議会の制覇後、彼らが要求しているコルシカ語の公用語化、島住民の地位、「政治」犯の恩赦については拒否回答を再度表明。

27日:「コルシカ民族解放戦線10月22日派(FLNC du 22-Octobre、以下FLNCと略)」は、昨今のフランス及び世界で生じた一連のテロ事件を受けて、「コルシカのイスラム教徒」、「コルシカのイスラム過激派」及び「フランス国家」の3者に向けて声明を発した。 (1)コルシカのイスラム教徒に向けては、「過激イスラム主義に抗議するデモに参加し、我々と共に歩む意志を表明し、あからさまな宗教色を出すことを控え、過激化に流されがちな無為の若者に偏向が認められたら通知するよう」訴えた。 (2)コルシカのイスラム過激派に対しては、「イスラム国」が「我が領土」で行動をとった場合には、島は「運命共同体」として「これを駆逐する」と警告。イスラム過激派を「死の宣教師」と呼んで、「彼らの中世哲学はなんら恐るるに足らず。(コルシカ)国民に対する一切の攻撃には容赦なく応酬する」と予告。 (3)フランス国家に対しては、中東の現状は、欧州従ってフランスの責任によるものと非難し、「フランスは、自らが世界中で撒き散らしつつある衝突がブーメランのように自国領土に跳ね返ってくることを避けたいのであれば各地で行なっている軍事介入や民主主義について教訓を垂れるようなことはやめるべき」と主張した。  またFLNCは、政府に対し「島内8箇所の原理主義的モスク」及びその他のイスラム過激派の会合場所の閉鎖を求めた。さらに6月には、島南部にあるディスコテークを機銃襲撃する計画を阻止したとも発表(但し詳細には触れず。関係筋も当該情報は掴んでいない)。また2015年12月、アジャクシオ市内のシテで生じた警察・消防に対する暴力事件、それに続く(反アラブ)抗議運動も、サラフィストが住民の反応を窺うためのものであったと結論づけた。

28日:コルシカ議会は、島内にある原理主義的モスクの閉鎖を政府に求める決議案を採択した。共産党を除く民族主義者及び左右両派を含めた全議員が支持。
 

8月

3日:セット市(オクシタニー州エロー県)の葡萄酒仲買業者の貯蔵施設が約10名の集団に襲われ、葡萄酒5万リットルが路上に放棄され、事務所が荒らされた。大流通店舗がスペイン産及びチリ産の廉価葡萄酒をスペイン経由で搬入した結果、葡萄酒市場が不安定になり、地元弱小生産者の製品が売れなくなったことに抗議しての行動。

9日:トゥールーズ高等裁判所は、モレックス社(米系自動車用電気接続器製造企業)が、経営危機を偽ってオート=ガロンヌ県ヴィルミュール=スュール=タルヌにある工場の従業員191名を解雇したのは違法として700万ユーロの賠償金支払いを命じた。賠償額は労働仲裁裁判所が第1審で命じた1000万ユーロを下回った。

17日:自動車専門誌の調査によると、マルセイユは信号無視でフランス1となった。同市での信号無視率は赤で15%、黄で46%(計61%)となり、ニース(51%)やパリ(43%)を凌ぐ。信号が黄色に変わったからといって減速すると後続車から警告を浴びるような土地柄。黄色は「止まれ」ではなく「速度を上げて突っ切れ」の意味であるように、マルセイユには「特有の」交通法規がある。逆に緑になっているのに発車しない車に対して警笛が鳴らされるまでの時間は、ボルドー(3.7秒)他2都市に続いてマルセイユは第4位(4.7秒)と後退。これは辛抱できない輩は、(マルセイユでは)既に赤や黄信号を無視して走り去った後故と専門誌は皮肉っている。

27日:今夏の当地観光業の業績。テロ事件を受けてニースでは観光客数10%減、売り上げ25%減。エクスやマルセイユ、アヴィニヨンでも米、日、中からの観光客が激減。
 

治安関連

3日:レ・ペンヌ=ミラボー(ブーシュ・デュ・ローヌ県)にある水浴施設を借り切ってのイスラム女性信者とその子供を対象にしたプール・パーティ(9月10日予定。ブルキニと呼ばれる胸から膝まで覆う水着を着用し、子供は10歳以下であること等の制限付き)に関し、地元政治家から「共同体主義に基づく催し」は共和国概念に反する、或いはニース、ノルマンディと立て続けにテロが起こった後だけに「時期がよくない」などと言う声が上がって論争に発展。主催者団体は、「政教分離の国にあっては、自らの望むままに信仰できることが重要であり、共同体主義とは無関係」、政治家の中にも「公営プールではなく、私営プールで所有者が了承した上での貸し切りなら部外者が口を挟むことではなく、特に普段プールに来にくい親子が楽しむことのできる機会を奪うのはよくない。」と擁護する声も上がったが、結局8日プール所有者が取り消しを決定した。この後ブルキニをめぐる論争が続いた。

13日:シスコ(オート・コルス県バスチア北約10km)の入江でマグレブ系住民と島民との間に諍いが発生し5人が負傷した。車3台が延焼し、警察・憲兵隊約100名が出動して事態を収拾した。原因は、入江に来たマグレブ家族が一帯を私物化して不興を買ったことにある模様。但し、当初は憶測を含めて様々な説が唱えられ混乱を招いた。翌14日、バスチアの県庁前に約500人が結集し、シスコの村の子供が被害を受けたことに抗議の声を上げた。県庁の回答に不満の数十人が前日のマグレブ系住民の住む市内リュピノ地区に向った。シスコの村長は、村民の安全保障の観点からブルキニ着用を禁止した。

13日:カンヌ他アルプ=マリティム県の2都市の出したブルキニ禁止条例に関し、ニースの行政裁判所は合法との判断を下した。その後、カシス、ラ・シオタ(共にブーシュ・デュ・ローヌ県)等が相次いで禁止条例を出し、23日には23都市(管内21都市。大半は右派市政)に増えた。21日にはパラヴァ=レフロ(エロー県)の浜辺でブルキニ禁止を求めるデモに200人が参加。26日、国務院は「法が保障する自由の尊重」の観点から、ヴィルナーヴ=ルベ(アルプ=マリティム県)の出した禁止条例を非合法と判断した。
 

9月

3日:今年になってマルセイユ市及びブーシュ=デュ=ローヌ県で発生した麻薬密売組織間の抗争に端を発する報復殺人事件によって23人が死亡し、前年同期比60%増と異例な伸びを示した。8月だけでも犠牲者は7人を数えた。大麻押収量は2t(前年同期1t)

5日:カランク国立公園で発生した火災により300haが延焼。

6日:コルシカのバスチア行政裁判所は、ブルキニ着用が「公共の秩序を乱す恐れあり」として、8月に暴力事件の生じたシスコ村による禁止条例を認めた。(8月、国務院は他の自治体による同種条例を憲法違反と判定している。)

12日:会計院は、コルシカにおける税管理に一連の不備を認め、国が税に関する平等原則を適用していない状況を指摘した(1811年の皇帝勅令に基づく課税免除、1897年のコルシカで生産され消費される葡萄酒に対する税免除、島内における大型車両税免除、更には企業が税監査を受ける可能性も本土企業に比べて異常に低いこと等により国が徴収していない税額は数千万ユーロに上ると見られる)。歴代政府は、抗議運動を恐れて是正に踏み切れなかったのが実態。

17-18日:フレジュス(ヴァール県)で国民戦線(FN)が党夏季集会開催。マリーヌ・ルペン(FN代表)は、大統領選挙運動を本格的に開始した。

30日:トゥールーズの研究陣も参加した欧州宇宙機関の彗星探査機ロゼッタがチュリモフ・ゲラシメンコ彗星の探査を終え彗星に「墜落」し、任務を終えた。
 

治安関連

28日:ニースでのテロ犯行(7月14日)以降、数件のテロ計画が未然に防がれたと検察が発表。過激化に関する事案も含めると総数は70件に及ぶ。
 

10月

1日:原子力安全局(ASN)は、トリカスタン原子力発電所(ドローム県)の原子炉2基(第1及び第3号機)に12月31日まで閉鎖の命令を下した。18日、第2号機及び第4号機にも停止命令が下った。(他所でも同様の理由で全仏58基中26基が停止となった) 理由は、日本鋳鍛鋼社が仏のCreusot Forge社と製作した原子炉圧力容器に過剰な炭素成分の存在が疑われるため。冬の到来を控えトリカスタン原発全4基の停止で電力供給(3600メガワット)が途絶えることから、EDF他発電会社では火力発電所を全稼動(2000メガワット)する旨決定。

3日:マルセイユ市議会は、市内に建設予定であった大モスクにつき、長期賃貸借契約を破棄する旨決議した。施主である「マルセイユ・モスク協会」が建設期限(2016年9月)を遵守せず建設許可が無効になったこと、また年2.4万ユーロの土地借料の滞納等が原因。建設費の寄付提供をめぐってマグレブ諸国間の主導権争いが表面化し、地元政界もこれに加わったことが仇となり、一般市民や企業からの寄付が滞ったことも影響した。

8日:オーストラリアに続きイランがITERに参加を希望している。但し同国が参加国となる資格を得るには、核融合研究・技術上で参加国並みの貢献ができるようになる必要があり、道は長いとビゴ機構長は説明。

10日:ラギヨル村(オクシタニー州アヴェロン県)は、ナイフ生産で知られるが、同地以外や外国産のナイフにもその名が用いられていることに異議を唱えて裁判沙汰となっていた。破棄院は、「ラギヨル・ナイフは、一般にとっては(地名としての)ラギヨルと必ずしも結びつかないナイフの名になっている」としたパリ控訴院の決定を破棄し、同院に差し戻した。

10-31日:ヴィリー=シャティヨン(エッソンヌ県)で警察車両が放火され警察官が重傷を負った事件(8日)を契機に、緊迫した社会情勢下で任務に当たる警察官が不届けデモを実施し、不満(「司法の甘さ」、「任務を遂行できない環境」)を表明した。警察監査局が上記デモ参加者に対する制裁処分を下すべく動くのを見て不満は更に増大。パリ、マルセイユ、トゥールーズでは警察官が連日抗議した。

11日:ポーランド政府は、落札したエアバス・ヘリコプターのカラカル50機購入(約31億ユーロ)を反故にし、米ロッキード・マーチン社製ブラック・ホーク(ママ)21機に変更した。元々カラカルは、ポーランド陸・海軍のロシア製ヘリの代替機として採用予定であった。ところがポーランドにおける政権交代に伴って購入約束が反故されたことに仏政府は不満を表明。  カラカルは、民生ヘリであるスーパー・ピューマ系の軍用最新型機であるが、市場の閉塞やスーパー・ピューマに生じた事故のため今や生産工程の継続が危ぶまれている。(その後同社は、2017-18年で582人の人員整理を公表した。)
 

治安関連

15日:テロ犯行後3ヶ月を経たニースで追悼式典が実施され、大統領、内相他2500人が参列。他方、市内ではマグレブ系住民から、「犯行直後の(マグレブ系)被害者に対する同情・連帯の時期は過ぎて、今や懐疑や憎しみの目で見られていると感じる」との証言が寄せられ、「フランス人として受け入れられることは決してない」とか「(我々は)嫌われている」といった諦念が支配するようになっている。
 

11月

11-15日:ヴィルナーヴ・レ・マグロン(オクシタニー州エロー県)の動物保護協会(SPA)が資金不足で閉鎖の危機に迫られた。事情を知った一人の芸人(ユーモリスト)が自ら協会の檻に「閉じ込められ」動物保護と協会の存続を訴えたところ、犬猫合わせて150匹が引き取られ、20万ユーロという予想外の寄付金が集まった。

16日:ヴァール県の2空港(ル・カストゥレ及びラ・モール=サン=トロペ)の税関が費用節減を理由に閉鎖された(全仏で13空港が対象)。このため10月29日以降、シェンゲン協定圏外の国民は直接入国が不可能になり、ロシア、英国、ブルガリア等の富裕層の費消で潤っていた地元経済は大損失を蒙ると予想されている。地元では政府に再考を要請する意向。

18日:エアバスは日本のピーチ航空からA320型13機(14億ドル相当)を受注し、日本市場における年間累積受注機数で初めてボーイングを凌いだ。

18日:中国の業者がエクサン・プロヴァンスのアーモンド菓子カリッソン(calisson)をkalisongとして中国市場で登録した。製品は仏では商標登録がなされており保護されているが、中国市場での法的効力はなく、その巨大さゆえに仏業者は悪影響を懸念。他方19日、プロヴァンスのサントン製造業者が国外を含む地域外で製造された偽サントンに対抗して「プロヴァンス産サントン」の商標を設けた。中国産カリッソンの商標登録に続く、模倣品からの真正品保護の試みとして注目される。

23日:大西洋・地中海マグロ・サメ・カジキ類保存国際委員会(Cicta)は、2年来激減しつつあるメカジキの保護策を提案した。それによると2017年から漁獲制限が課せられ、2018年以降の漁獲量も年3%ずつ減らされることに。

29日:エアバスは2017年に実施予定のリストラ案(ジェミニ計画)を発表した。エアバス・グループ本社のあるトゥールーズに航空機製造部門のエアバスを統合することが目的。競合する米ボーイング社や新進企業の台頭に備えて、欧州最大の航空産業の再編合理化を図る。欧州1164人、内フランスで664人を削減し、パリ(スュレヌ)及びミュンヘン(オットブルン)の2施設はトゥールーズに移転される予定。
 

治安関連

17-22日:マルセイユでテロ容疑によって7人(16-23歳の男女)が逮捕された。そのうち16歳の娘はジハディスト・サイトを頻繁に視聴し、戦場にいる者とも連絡を取っていたことから危険人物と見なされた。他の4名も同一のイスラム原理主義運動に関係していると見られる。またマルセイユ在男(21歳)は、勧誘・募集役を務め、若い女たちを説いては戦場に向けて発たせたり、マルセイユ及び周辺地域でテロを実行するよう教唆したりした疑いが持たれている。

19日:ニース検察局は、子供にモハメッド・メラと言う名をつけた親に対して、テロリスト(2012年3月トゥールーズ他で無抵抗の7人を殺害)と同姓同名を名乗ることは子に不利益をもたらすとして出生届を無効とするべく審理中。

19-20日:マルセイユとストラスブールでテロ活動を計画していた7名が逮捕された(仏、モロッコ、アフガニスタン国籍の29-37歳)。マルセイユで逮捕された3人は資金調達、ストラスブールの4人はテロ実行を担当していたと見られ、シリア在の者が全員に指令を出す縦型構造で横の繋がりは皆無であった模様。数ヶ月来監視下にあったが14日、状況の急速な進展を前に当局が逮捕に踏み切った。
 

12月

2日:「コート・ダジュール=フランス」が同地方観光委員会によって商標として登録された。

3-8日:オクシタニー州経済代表団(団長:キャロル・デルガ同州議会議長、社会党)代表団が東京、京都、大阪及び浜松を訪問した。州内企業・クラスター11に加え、トゥールーズやモンペリエの大学教育・研究12機関から構成され、日本からの投資、仏日間協力の強化を図った。

5-9日:マルセイユ市経済代表団(団長:ディディエ・パラキアン助役)が「2016年仏日イノヴェーション年」の締めくくりとして大阪、東京、神戸を訪問。

5日:原子力安全局(ASN)は、原子炉圧力容器に認められた炭素成分過剰に伴う不安により閉鎖されていた原子炉のうち7基に対して、段階的に炉内温度を高めるとの条件付で再稼働可能の判断を下した。暖房用電力需要の高まりを踏まえての決定で、トリカスタン原子力発電所(PACA州ドロ-ム県)第1、2、4号機も対象となっている。

6日:サマタン(オクシタニー州ジェルス県。フォア・グラの定期市で有名)での渡り鳥が原因と見られる鳥インフルエンザ(H5N8)の発症を受けて、政府は予防措置基準を高め、タルヌ県では7000羽、ジェルス県では690羽が殺処分された。今春の鳥インフルエンザ感染に続く危機に地元業者は不安を抱いている(感染症の影響を受けて今春のフォア・グラ生産量は25%減であった。関連業界には約10万人が従事)。ブーシュ・デュ・ローヌ県にある湿地帯カマルグでも飛来棲息する鳥の中に感染した個体がないか監視体制を強めている。

8日:欧州人権裁判所は、コルシカ県知事クロード・エリニャク暗殺事件(1998年2月発生)に関し、犯人イヴァン・コロナ(終身刑で服役中)の提出したフランス司法の不公正についての申し立てを却下した。コロナは、容疑者段階で、時のサルコジー内相によって「知事暗殺者」と呼ばれる等、推定無罪の恩恵に与ることなく、これが自らの不利益につながる有罪判決を招いたと不服を唱えていた。人権裁判所は、コロナは、フランス司法の中に推定無罪を尊重させる手続きがあったにもかかわらず、これを行使しなかったとして申し立てを斥けた。

14日:東地中海での作戦に配備されていた原子力空母シャルル・ドゴールが母校トゥーロンに寄港。改装のため18ヶ月間船渠に入り、戦力から外れることに。

16日:ムージャン(アルプ・マリティム県)にあるピカソ家に15年間電気技師として出入りした男(77歳)がジャクリーヌ・ピカソ夫人から譲り受けたと称して自宅にあった作品271点の価値鑑定を依頼したことから、ピカソの遺族の知るところとなり係争に発展。エクサン・プロヴァンス高等裁判所は、電気技師夫婦に隠匿罪で有罪(2年。執行猶予付き)を宣告。

16-20日:マルセイユに米原子力空母DDアイゼンハワーが寄港した。東地中海及びペルシャ湾に出動し、シリア及びイラクにおける「イスラム国」への空爆作戦展開後の帰国途上に。20日朝、出港後間もなくマルセイユ市警察官3名が無断で艦内に入りこんでいたことが分かり、艀に引き渡すのに1時間の遅れを来たした。警察官の規律とともに、ベルリン・テロ事件発生の翌日に発覚した空母の警備体制の甘さが問題となった。
 

治安関連

14日:マルセイユでバスク独立運動(ETA)の活動家が逮捕された。スペイン内務省によると、2014年以来逮捕状の出ていたホセ=マニュエル・アズカラテ=ラモスで、南米に逃避を図っていた模様。ETAのヴィズカヤ機動隊に属し、退職スペイン人中佐をバスク地方で殺害(1984年)、軍車両を襲撃して3人を殺害した。麻薬密売業者と目される男殺害事件、ビルバオのサッカー・クラブ代表誘拐事件にも関与した疑いが持たれている。

25日:マルセイユのティモーヌ病院に3年来勤務する医学生(29歳男)が10月トルコに向かい、クリスマスを前にイラク乃至シリアの戦場に合流を図っていたが逮捕されフランスへ送還された。同人は2015年コンピューター上でジハード・サイトを監視する有志網によって幾度も当局に告発されていた経緯あり。