2018年の主な出来事

2017/12/28
 2018年、当館の管内でおこった政治、経済及び社会面での主要出来事を地元紙及び全国紙から抜き出しました。管外で生じた事項でも特に管内との関連が深いものについては、{ }内に記載してあります。(敬称略)
 

1月

2日:コルシカ統一領土新自治体誕生。独立派の指導者ジャン=ギ・タラモニはコルシカ議会議長に、自立派のジル・シメオニはコルシカ執行議会議長に選出された。


15日:中学や高校の教育環境が悪化し、粗暴な言辞や暴力が生徒間のみならず、教師にまで及ぶようになってきている。トゥールーズのとある工業高校では、増大する施設の損壊、喧嘩、放火に業を煮やした教師陣が、教育環境の改善(麻薬売買を取り締る補助員の復活・増員、司法監視下にある問題生徒の特別教育施設への登録)を求めて授業を拒否するに至った。


17日:タラスコンの刑務所で、イスラム過激化で服役中の囚人(27歳、男)が監守(40代、女)を殴り全治10日の傷を負わせた。仏の他地方にある刑務施設で同種の事件が続いて起こった直後の出来事であったこと、同刑務所がイスラム過激化で収監される者にとって先駆的な施設となることを謳っていたにも拘らず実態を伴っていないことに関係者が怒りを表明した。19日には、コルシカのボルゴ刑務所(オート=コルス県)で刑務官2人が過激化で収監中の男に襲われた。刑務官等は職務遂行を拒否した。{22日、刑務所関連の労働組合は、劣悪な職務環境に抗議して全仏188箇所の刑務施設の完全閉鎖(=罷業)を呼びかけた。}


20日:2017年オクシタニー州農業実績
 果実栽培:りんご、食用葡萄、プルーン前年より増加。欧州全体は過去10年で最低の収穫であったことから、価格高騰が予想されている。穀物:小麦は例年並み(ロシアは収穫大)。とうもろこしの生産は利益率のより高い大豆に追い上げられつつある。鳥インフルエンザの影響でフォアグラ用鴨が27%減。利益も前年比で36%減。牛乳生産は復活し、価格も平均値に戻った。

22日:エアバス・ヘリコプター2017年実績
 納入数409機(前年比2.1%減)、受注数335機(同5.1%減)と低迷。海上油田市場における需要停滞に加え、2016年ノルウェーでのスーパーピューマの墜落事故が尾を引き、次世代機の開発も延期されている現状。


24日:2017年マルセイユ港実績
 石油精製施設の閉鎖に伴う減少にもかかわらず業種の多様化並びに発展によって取扱総量8060万トン(2015、2016両年とほぼ変わらず)を維持。コンテナ取扱量140万個、1300万トン(前年比10%増)。港湾争議の減少による信頼性回復、北欧州の港湾に比べ未だロジ面で余裕のあるマルセイユ港の現状が好結果につながった。船舶のディーゼル・エンジンによる大気汚染については、天然ガスへの切替えや停泊中船舶への電気供給網の整備といった対策を講じ中。2000年には終焉を迎えたとみられていた船舶修理業も相継ぐ大型客船の入渠で復活した。


30日:マルセイユ市の人事部が財政検察局(PNF)の家宅捜索を受けた。同市の緊急医療社会サーヴィス(SAMU Social)職員の過少就労容疑をめぐる捜査開始(2016年8月)を発端に、市職員(役所及び美術館)の長年に及ぶ過少労働や欠勤過多、さらにはこれらを黙認して労組(FO)との対決を避けてきた歴代市政の体質にまで捜査の手が及びつつある。


治安関連

10日:トゥールーズ出身の19歳女性(ソルボンヌ大学生)が、レンヌ市でテロ攻撃を計画していたことが発覚し、逮捕された。女はカラシニコフを入手しようとしており、暗号化されたアプリとしてジハード候補者が好む「テレグラム」を通信に用いていた。治安当局にとっては未知の人物で、拘留時、「確信的イスラム主義者であり、(「イスラム国」による)フランスでのテロ行為に誇りを覚える」ことを認めた模様で、「逮捕前にテロを実行できなかったことを後悔」していた。また捜査当局の疑いを招かないよう、アルコールを飲み、学生同士のパーティーに参加するなどごく普通の暮らしを装っていた。国内治安総局(DGSI)は、家宅捜索の際、レンヌで計画していた犯行に触れた直筆の遺書を押収した。レンヌを選んだのは、「警備が他所に比べ緩い」との理由。


16日:バニョル=スュール=セーズ(ガール県)でテロを計画していた男(33歳)が拘束された。男には前科も、イラク、シリアの滞在経験も無く、当局にとっては未知の人物であったが、同人がIS指導者を称賛した動画もあり、家宅捜索では爆発物製造原料や発火装置等が押収された。テロの具体的標的は特定されていない。担当検事は、「今日、ISは、イラクやシリアに来る必要は無い、今いるところで、テロ行動に決起せよと命じている。」と述べて、仏におけるテロの危険性が外来者にではなく、むしろ内在者によるものであることを強調した。
 

2月

1月末ー7日:欧州会計院が指摘する「(農耕に)不向きな地域図(Carte des zones defavorisees)」の修正に反対してオート=ガロンヌ県及び周辺県の農業従事者組合連合(FDSEA)が決起し、トゥールーズで高速道路や外周道路を封鎖した。右地図上での評価に応じて、欧州や仏政府の助成金が全仏10万人弱の農業経営者に与えられ(個別助成金は年間5000ユーロから15000ユーロに及び、農業収入の30%から60%を占め)ており、農民にとってその削減は無視できない問題となることから。農業省での協議の結果、ほぼ現状を維持するとの結論を得た農民は封鎖を解いたが、農業の将来に展望を持てない関係者の苦境を象徴する出来事となった。


3日:6日のマクロン大統領訪問を控え、島民がコルシカの自立性を訴えてデモを実施した(警察発表で6000人、主催者発表で2.5万人が参加)。
6-7日:エリニャク知事暗殺20周年を機にマクロン大統領が島を訪問した。バスチアで大統領は、憲法にコルシカの特性を認めることを表明。その他の、島の地位に関する修正、島居住者の地位及びコルシカ語の公用語化等民族主義者の掲げる要求についてはすべて斥ける旨表明した。シメオニ執行議会議長は、演説を「期待はずれも甚だしい。好機を逸するもの。」と批判した。


5日:原子力空母シャルル・ドゴールが母港トゥーロンで2度目の大改修中(2017年2月着工、工事期間18ヶ月。作業員2200人。総工費13億ユーロ、内7億ユーロは設備機器の刷新に)。原子炉用核燃料も交換される。艦載機は、スューペール・エタンダールが退役し、戦闘爆撃機としてはラファル24機のみとなって、ヘリコプターNH90カイマン1機が対地・対潜水艦戦用に新配備される。他に新型ミサイル及びレーダー、光学検知システム等を導入し、カタパルトを含む飛行甲板周辺も修復する。


12日:フォス=スュール=メール(ブーシュ・デュ・ローヌ県)工業地帯の地元産食品が化学有害物質や重金属等に汚染されていることが明らかとなった。地域住民からなるフォス湾岸保護協会(ADPLGF)の要請で実施された調査の結果。右調査は、2009年から6年に亘り、地元産の7食品(カマルグ産牛肉、クロ産羊肉、山羊乳チーズ、鶏卵、ムール貝等いずれも原産地呼称統制(AOC)製品)や魚類を追跡したもので、50を超える化学構成物が検出され、その中には許容値を大幅に上回るダイオキシン、PCB、鉛もあった。協会では、「他者を生命の危機に晒した」廉で告訴する意向。
 同地域を含むベール潟は欧州随一の石油精製・化学工業地帯で、2017年に行われた別調査では、地域住民に全国平均を上回る喘息、糖尿病或いは癌の発症が認められている。県知事は別調査を実施する旨表明。市長は住民を対象にした疫学調査が必要と主張。


28日:トゥールーズ-ブラニャク空港は2015年中国企業集団に資本の49.9%を売却し、仏国家所有分(10.01%)については、2018年4月以降追加購入が可能としていたが、政府はこのほど右集団からの購入申請を拒否した。同集団が株主配当を最重視した投機的政策を実行しているとの地元自治体代表による政府宛て書簡が影響していると見られている。同空港は全仏第5位、エアバス等航空宇宙産業を抱える拠点であるだけに、他の空港に与える影響もあり今後の成り行きが注目されている。


治安関連

20日:ポン=サン=テスプリ(ガール県)とアルビ(タルヌ県)でドゥリス・ウカビール(2017年8月、スペインのバルセロナ及びカンブリルで発生したテロ事件の容疑者の1人)と関係のあった3人が西仏合同捜査により逮捕された。バルセロナでのテロに当っては、突撃に使われた小型トラックを借りるためにウカビールの証明書が用いられた経緯あり。パリ検事局は予審を開始した。


{25日:コロン内相は、今年になってISによる2件のテロ計画を事前に察知し、防いだ旨公表した。1は西フランスで著名なスポーツ関係団体を狙い(1月中旬に男を検挙)、他は南仏で軍、歩哨兵を標的としたもの(1月半ばに33歳男を検挙)であった。}


3月

7日:エアバスは、欧州で3720名の人員削減を行なう旨発表した。A380型超大型旅客機及びA400M型軍用機の生産減少が原因とされ、削減の打ち分けは独1900人、西850人、仏470人(内トゥールーズ320人、ナント100人、サン=ナザール50人)、英450人。同社では解雇は避けると言明。臨時工、下請けから始める予定。
 

9日:ピレネーの保護団体が、2015年に国による熊の保護対策を不十分として起こした訴訟で、トゥールーズ行政裁判所は原告の主張を認め、保護団体に8000ユーロを支払うよう国に命じた。2017年に専門家が確認した個体数39頭では熊の存続は図れないというもの。国は2012年にも欧州委員会によって、保護の義務を怠った廉で催告を受けている。保護地域の拡大と新たな熊の導入が国の取るべき措置として挙げられるが、熊に襲われる牧羊業者の被害が絶えない(2017年、アリエージュ県だけで689頭が犠牲になった)ことから、共生の問題を抱えて解決策は見えていない。
 26日、ユロ環境相は、熊を仏の自然遺産とみなし、雌熊2頭を今秋までにピレネーに導入する意向を表明。
 

19-25日:ブーシュ=デュ=ローヌ県議会ヴァサル議長(LR)を団長とするプロヴァンス代表団がポーランド(クラクフ)を訪問し、エクサン=プロヴァンス郊外にあるレ・ミル移送キャンプとアウシュヴィッツ・ビルケナウ国立博物館との間に「記憶する義務」の協定を結んだ。代表団はプロヴァンス地方の観光及びフランス語教育の振興も唱えた。
 

22日:財・税制、国鉄、公務員削減等を含む諸改革に抗議して全仏で140の抗議行動が実施され、マルセイユでは1万人(警察発表。主催者発表では5.5万人)、トゥールーズでは1万人(同2.5万人)が参加した。
 

23日:モンペリエ大学法学部で政府による大学入学方法の改革に異議を唱えて階段教室を占拠した学生約50名を覆面集団の10名が襲撃して排除した。集団内に法学部教員や同学部生の姿が認められたこと、集団による階段教室侵入を可能にした責を問われた法学部長は辞任。大学は学部の一時閉鎖を決定。司法は同学部長と1教員を対象に予審を開始した。
 

24日:ジャーマンウィングスA320型機墜落事故(2015年、副操縦士が航空機を山腹に激突させて150名の犠牲者を出した)の遺族ら約350名がヴェルネ(アルプ=ド=オート=プロヴァンス県)にある事故現場で3周忌の追悼をした。
 

27日:トゥールーズのジャン=ジョレス大学で大学入学方法の改革や大学統合に反対して始まった一部講義の中止が大学閉鎖に進展した。高等教育相は、学長を始めとする運営委員会を解任し、行政官を任命して暫定的に運営させる事態に。
 

治安関連
 
23日:オクシタニー州オード県カルカッソンヌで男(ラドゥアン・ラクディム。25歳のモロッコ出身仏人)が車を襲い、助手席の1人を殺害、運転手に傷を負わせて車輌を奪い、その後トレーブにあるスーパーマーケットを襲って客2名を殺害、人質と交換に名乗り出た憲兵隊員にも傷を負わせ死亡に至らしめた。他に16名が負傷。犯人は憲兵隊の突入時に殺害された。ISが犯行声明を発表。
 なお、カルカッソンヌ市長は、犯人の墓がジハディスト等の聖地となることを懸念して同市での埋葬を拒否する旨表明。トレーブでも住民がネット上で2都市での埋葬拒否署名を募り、短期間で数千名の賛同者を集めるに至った。


4月

{2日:仏国鉄の労組が長期に亘るストライキを開始(6月28日迄5日に2日の割合で実行の予定)。鉄道員の職権廃止、民間企業の市場参入による競合、国有企業から民間企業への変更に反対して。
 他にも、エア・フランスでは賃上げを要求して、エネルギー、塵回収、大学等でも罷業が行なわれる予定。}


5日:国立農業研究所(INRA)は、コルシカ全域のオリーヴや樫に2013年イタリア南部を襲ったバクテリア(Xylella fastidiosa)が存在するとの検査結果を公表した。2015年に同島に持ち込まれた植物に発見されて以来、法令で持ち込みが禁止されていたが、関係者は、「頻繁に特例が認められたため阻止しきれなかった。既にマキ(潅木地帯)に広がっており拡散を妨げるのは非常に困難」と悲観的な観測をしている。


12日:PACA州雇用局が同州在の15万社中3.6万社を対象にした調査によると、本年中に企業の予定する雇用数は25万人(前年比18%増)に上り、景気の回復を裏付ける結果となった。全仏では、イール・ド・フランス、オーヴェルニュ・ローヌ=アルプに次いで州として3番目。職種では、給仕、調理、農業、介護関係、ホテル従業等で需要が高い。


20日:大学入学方法の改革や大学統合に反対する運動が進展し、管内ではトゥールーズ、モンペリエ、マルセイユ、ニースの各大学で学部が閉鎖されたり、部分的に占拠されたりした。


21日:仏伊国境を越えてフランスに入国する移民の阻止を図って、レシェル峠(オート=ザルプ県。標高1762m。伊国境から6km)に極右活動家(Groupe identitaire)約100名が参集し、仮国境を設けて気勢を上げた。


30日:コルシカ、アジャクシオの市立図書館で資料整理中の学芸員が1610年版のエジプト学論文(Thesaurum Hyeroglyphicorum)を発見した。同書は、エジプト学についての最古資料とみなされ、世界に7部存在するが完全本は3部のみ。今回発見分は2頁を欠く。他にも、ナポレオンの自筆未公開書簡、エジプト遠征に関する書約15巻、ギュスターヴ・エッフェルの署名入り「300メートルの塔」(エッフェル塔計画案を論じた書)が発見された。図書館では90%以上が未整理であるため、今後も貴重本が出てくるのではと大いに期待している。

治安関連


5日:ペルピニャン(ピレネ=オリオンタル県)の回教礼拝所付近で、盲人のアルメニア人男性(24歳)が警察の尋問を受け、居所指定を命ぜられた。信者が男の挙動不審に気付いて警察に通報したもの。男はパリ及びサン=ドニで発生したテロ(2015年11月13日)以来、Sファイルに分類されており、連行時には携帯電話20個を所持していた。


13日:「イスラム国」要員としてシリアに出国し、あるいはシリア行きを他者に教唆した罪で、パリ軽罪裁判所はリュネル(エロー県)出身の2人に5乃至7年の有罪判決を下した。同地からは20人がシリアに向かい、少なくとも6名が死亡している。


5月

{1日:ニースで欧州議会の政党集団「民族と自由の欧州運動(MENL)」が、2019年欧州議会選挙の勝利に向けた決起集会を実施。仏のFNを初めとして、ベルギー、オランダ、オーストリア、ポーランド、チェコ、ブルガリア、ギリシャから民族・大衆主義政党が参加した。}


1日:フォス=スュール=メール市(ブーシュ=デュ=ローヌ県にあって、巨大石油・化学工業地帯を抱え、欧州有数の汚染地域とされる)に始まってパリ(仏政府)、ブリュッセル(欧州議会)を目指し、健康・環境問題についての世論の覚醒を唱えて、団体・個人・政治家達が「モルモットの行進」を開始した。「健康の危機」を、「気候変動」、「生物多様性の消滅」、「自然資源の枯渇」と並ぶ4番目の環境危機と位置づけ、参加者が自らを実験動物にたとえての運動。全行程に60日をかける予定。


5日:コルシカに関する憲法の条文改正法案をフィリップ首相が提示した(4月24日)。シメオニ(コルシカ執行議会)議長を初めとする民族主義者は、「島の自立への展望が全く盛りこまれておらず、政府の意思は自治への道を開けることにではなく、むしろ禁じ塞ぐことにある。」と厳しく批判し、今後島をめぐる状況が緊縛したものになると懸念を表明。


15日:マルセイユ港(ラ・メド)に準備中のトータル社バイオ精製施設に操業許可が出たが、環境への影響につき賛否両論が巻き起こっている。同地での石油精製は2016年末に終了し、その後植物油に基づくバイオ軽油(ディーゼル・エンジン用。石油原料の軽油に比べ燃焼時に発生する二酸化炭素減少)への転換が図られてきた。ところが、バイオ軽油の主要原料がアブラヤシであるため、森林伐採による環境破壊に異議の声が挙がっているもの。


15日:トゥールーズのミライユ地区で騒擾事件が発生し二晩で車が34台延焼した。発端は、同じオート=ガロンヌ県のセイス刑務所に収監中の男性の死亡(刑務当局は自殺と発表するも、社会ネットワーク上には、刑務官と衝突して殺害されたと報復を呼びかけるメッセージが掲載された)、さらにはミライユ地区で警察官に身分証明を求められたイスラム女性がヴェールを取って素顔を見せることを拒否し、連行・留置されたことなどが挙げられている。麻薬売買が横行する地域で、失われた権威を取り戻そうとする警察の「強権的」手法にイスラム系若者を初めとした一部住民が不満を覚え、官憲と対峙する事例が増えている。


18日:マルセイユにフランス初、欧州第2の東横インが開業した。

25-26日:ポンテ(ヴォクリューズ県)の新聞販売スタンドが、週刊誌ル・ポワン最新号の広告を掲示しようとしたところ、「独裁者、エルドガン(トルコ大統領)はどこまで行くのか」との表紙広告に怒りを覚えたエルドガン支持者らが店主を脅して掲示を断念させた。市長(FN)は、言論の自由侵害は認められないとして、直後に広告掲載を実施させ、代わって反対派が「嘘だらけの広告」と書いた紙を貼り重ねることを黙認した。ル・ポワン編集部は、脅迫を蒙っている旨公表した。
 


治安関連


7日:ニースで歩哨任務中の兵士殺害を企んだ女性(2016年9月当時18歳)に対して、パリ軽罪裁判所は4年の禁固刑(内18ヶ月執行猶予)を命じた。
 

6月

7日:プロヴァンス地方の葡萄畑並びにロゼに対する評価が上がりつつある。かつて「ロゼは葡萄酒とは言えない」などと貶されることもあったが、今や世界市場でも認められるほどに。また赤の生産に際しても、ボルドーやブルゴーニュにではなく、プロヴァンスの大地に投機しようとする製造者が増えている。


8日:世界野生基金(WWF)仏支部は、地中海がプラスチックのゴミ捨て場と化しつつある状況に警鐘を鳴らした。ポリ袋やペットボトルもさることながら、5mm以下のプラスチック片が地中海の環境(食物連鎖)を撹乱し、「気付かれざる毒の散布」が進行中と警告。
なお地中海では、1km2に125万個の微小プラスチック片が散在し、地球上の微小プラスチックの7%を抱え(海洋全域に対する地中海の比率は1%に過ぎないが)、海洋生物の334種(魚、哺乳類、鳥等)が被害を蒙っている。悪影響は人にも及ぶことから、魚食を週1回に制限するよう勧める医師もいる。


9日:オクシタニー州では数週間来降り続いた雨のために作物に被害が出始めている。
イチゴは30%の収穫減、メロンは例年に比べ熟成が2週間遅れ、穀物は雨で苗が流され、ブドウは地中の湿度過多によって病気発生が懸念され、全体に農産物価格の高騰が予想されている。


10-13日:フランス農業経営者組合連合(FNSEA)は、全仏4ヵ所のトータル社石油精製施設及び9ヵ所の燃料備蓄基地を封鎖した。ブーシュ・デュ・ローヌ県では青年農業者が中心となってラ・メードにあるトータル社のバイオ燃料製造基地を封鎖した。欧州が集約農業の推進や農産物増産への絶え間ない圧力を仏の農業者にかける一方で、欧州の規制を受けない諸国の廉価農産物輸入が「野放し」にされているという現状に抗議するもの。バイオ燃料の原料も、仏産のナタネやヒマワリではなく、廉価とはいえ環境破壊につながるインドネシアやマレーシア産のアブラヤシに依存していることを問題視。


13日:地中海を経て渡欧を試みる移民の海難救助に当たる非政府組織(「SOS地中海」及び「国境なき医師団」)の傭船アクアリウス号がイタリア及びマルタ当局の寄港拒否に会い地中海をさ迷い、南仏各地でも受け入れを巡り賛否両論が起こった。「ニースをランペドゥーザにするつもりか」と拒否する意見(アルプ=マリティム県議会議長、LR)や、「緊急事態に対応するのは国際航法の原則、選択の問題ではない」と受け入れをする意見(マルセイユ巡航客船連合代表)まで。コルシカ執行議会議長は、「遠からぬところで生じていることに無関心ではいられない。コルシカ長官は、受け入れに慎重を期するよう求めるが、我々には受け入れの準備がある。問題は国だ。」(移民受け入れについての決定権は国にあることから)。結局、スペインが受け入れを表明し、629人を乗せた船(同伴する伊当局の船も含め計3隻)は1500キロメートル離れたヴァレンシアに向け出発し、17日到着した。


15日:ブリジッド・バルドー基金の依頼で実施した調査によると、「フランスにおける闘牛の廃止を望む」声が74%に。「動物を死に至らしめる行為は見世物(スペクタクル)にはならない」は80%、「動物に対する残虐行為は禁ずるべし」は95%に達した。闘牛の盛んな仏南西部でも廃止は63%と出た。


24日:カストレ(ヴァール県)でF1グランプリ・フランス大会が10年ぶりに開催され6.5万人の観衆を集めた。


25日:ハルキ問題に終止符を打つとのマクロン大統領の公約に基づき、フランス南部に居住するハルキの「現今の謝意・賠償措置についての評価」並びに「社会・経済状況についての調査」が間もなく終了する。しかしながら結論は、月々数十ユーロの恩給見直しになる程度で、ハルキが要求する賠償額(数十億ユーロに及ぶと見られる)には程遠く、「これでは(ハルキに対する)冒瀆。国がしようとしているのは賠償ではなく社会援助で、到底満足できない」とハルキ代表団体が表明した。
 

治安関連
 

5日:司法警察テロ対策課は、ミュレ及びトゥールーズ(共にオート=ガロンヌ県)で3人姉妹(53、51、47歳)を検挙した。ISへの資金援助並びにシリアへの渡航容疑。
 

17日:ラ・セーヌ=スュール・メール市(ヴァール県)のスーパー・マーケットで、女(24歳)が「神は偉大なり」と叫びながらカッター・ナイフで二人に切りつけた。犯人は現場で市民に取り押さえられた。

23日:極右過激派の10人が仏各地で検挙された(32-69歳の男9人、女1人)。イスラム過激派によるテロに復讐すべくイスラム信者(過激イマム、刑期中に過激化した元囚人、ヴェールを纏った女性等)を標的に暴力活動を計画していたと見られ、主犯は引退警察官(65歳男)。アジャクシオでは、右集団武装化のための武器・爆発物取引に関与した疑いで2人が検挙された。
 

7月

1日:バニユル=スュール=メール(オクシタニー州ピレネ=オリオンタル県)に日本人夫妻がブドウ畑を購入して作った自然葡萄酒(vins nature)が国内外で高い評価を得たが、外国人農民として必要な所得に至っていないとして、県庁が滞在資格の変更(「労働者」から「農民」へ)を認めず国外退去を命じた。夫妻はこれを不服として司法に訴えた。近隣の同業者等は、地元葡萄酒の知名度向上に貢献したことを挙げ、またマクロン大統領の唱えるフランス経済を豊かにする実践活動の好例として弁護し、ネット上では夫妻を支援する署名運動も反響を呼び起こした。県庁では、その後仮滞在許可証を発行して再検討中(7日)。


4日:社会保障事案裁判所は、ルッセ(ブーシュ・デュ・ローヌ県)にあるスーパー・マーケット(リドル、Lidl)の従業員自殺(2015年5月発生)に関し、雇用主が従業員の安全保障の義務を怠ったことを「許しがたい過失」とみなし、遺族に9万ユーロを支払うよう命じた。判決は、「従業員が一連の過程によって精神的健康状態を悪化させるに至った。自殺はその帰結に過ぎない」ことを認め、「企業が従業員に対して、一年以上に亘ってモラル・ハラスメントを繰り返し、労働条件を悪化させ、職業的展望を失わせ、その結果精神の健康を損なわせた」と判定。今後、刑事事案として法廷で裁かれる予定。


4日:マルセイユのカランク国立公園で永年に亘り密漁を働いていた4人に対し、マルセイユ軽罪裁判所は15乃至18ヶ月の有罪判決を下した(執行猶予付き。他に3年間潜水禁止、潜水器具の押収)。スズキ、タイ、タコ、ウニ等を獲っては、魚介店、有名料理店に闇値で売り捌いていたもの(16万ユーロ以上)。保護品種、禁漁期間或いは汚染海域における大量捕獲の廉で罪に問われている。海洋保護団体などは、密漁は資源の89%が枯渇状態にある地中海を荒らす一因となっているとみなしているが、被告に罰金刑を課したとしても儲けに比べて微々たるものとなるゆえ、効果は望めないと悲観的。損害賠償金を巡る判決は今後下される予定。

7日:エアバス社は「2018-2037年予想」で、世界市場における航空機需要が37390機に達する旨公表した(総額5.8兆ドル相当。前年度版「予想」に比べ2500機増)。今後20年間に世界の航空機数は倍以上になると予想。地政学上の不測事態、経済危機、戦争、テロの脅威にも拘らず飛行機による移動が減ることはない。同社では、今後毎年4.4%の成長を見込む。背景には新興国中産階級の倍増、旅行に当用できるほどの所得の増加、廉価航空券増加に伴う移動の多様化がある。エアバスでは、将来に備えて生産増加に努め、2003年には月産20機であったA320型機を2019年には月産60機に増加の予定。


10日:競争・消費・詐欺取締総局(DGCCRF)は、ロゼ・ワインの世界的認知及び流行の波を受けて、安価なスペイン産ロゼが仏産を装って市場に出荷されている(約1000万本。価格は仏製の2分の1から3分の1)事実に警鐘を鳴らした。


治安関連


25日:グリゾル(オクシタニー州、タルヌ=エ=ガロンヌ県)の子供休暇センターにニカブに身を纏った女(後に仏に着いたばかりの26歳カナダ人と判明)が侵入し、「神は偉大なり。全部吹き飛ばしてやる」と叫びながら掃除婦を追い回した後、検挙された。動機も含めて、犯人がイスラム過激派なのか精神に障害を抱える者なのかは捜査中。


8月

12日:スペイン、アンダルシア産の青葡萄酒(商品名Vindigo)がセット(オクシタニー州エロー県)の仲買業者を通して仏市場に流れ込み、地元関係者の疑心を招くとともに不興を買っている。国立農業研究所(INRA)では、製造主が言うところのシャルドネ白の果汁と果皮を触れさせただけでは青色は抽出不可能であることから、別に色を混ぜているのではと疑い、不当表示の可能性を指摘。また地理的表示保護(IGP=生産地域を表示できるテーブル・ワイン)の視点から「地中海青葡萄酒」の呼称は不当としている。業者らは抗議を受けて訂正を約束したが既に3.4万本が売却済み。


15日:ルルド(オクシタニー州オート・ピレネ県)で開催されたカトリック教会の儀式に、2人の地元議員が三色の襷(仏代議員の象徴)をかけて出席し、国是とする政教分離主義に背反するとの批判が起こった。トゥールーズ市長が「キリスト教については慣習となっており問題ない」と弁護したのに対し、「異なる宗教間に差別を設けるもの」との声が左派から上がるなど議論が沸騰した。


23日:オート・ザルプ県で炭疽症が発生し、13自治体、23牧畜農家で54頭の羊・牛が死亡した。ワクチン投与、消毒等対策が講じられたが、最初の発症が6月末であったことから、当局の対応の甘さを指摘する声も挙がった。


25日:ラバスタン(オクシタニー州タルヌ県)でチクングニア熱患者(国外感染)が確認された。患者居住地域では媒介虫であるヒトスジシマカの駆除が行なわれた。
29日、バルマ(オート・ガロンヌ県)ではデング熱患者が確認(国外感染)され、ヒトスジシマカの駆除が実施された。
保健衛生当局は、ヒトスジシマカの蔓延状況に鑑みて、徹底駆除はもはや不可能と結論。今後は普通の蚊同様、住民が環境与件として受け止め、対策を取る必要を唱えた。


{29日:今夏は、1900年以来第2番目の酷暑となった。今夏平均気温も例年の平均に比べ2度近く高かった。}


治安関連


7日:エクサン・プロヴァンスの軽罪裁判所は、ソーシャル・ネットワーク上での「テロリズム礼賛」の廉で2人の兄弟(38歳と27歳、ベール=レタン市付近に居住)に禁固2年、欠格5年を宣告した。2016年、フェイスブックやタングラムを用いて、テロを宣伝教唆するISのヴィデオを大量に保持・掲載し、イスラムについての誤った教導を行い、若者を唆してシリア行きを実行させたもの。


7日報道:5月18日、ヨットでシリアに向かおうとしていた男(45歳)が尋問を受けた。何週間にも亘る備蓄食料、エロー県からシリアへの複数航路を下調べした形跡などが発見された。男は娘(13歳)もシリアに連れて行く予定であったが、娘の母親による通報で発覚した。数日後、仲間と見られる男(21歳)も検挙された。


9月

3日:マルセイユ市内にあるマクドナルド6店が売却され、一部従業員が事実上解雇されることを偽装売却であるとして、労組・従業員が経営者を訴えて4ヶ月来係争中。市長も同店支援のために自治体が採った諸施策を踏みにじるものとして公正な態度を要求。
7日、マルセイユ大審裁判所は、6店中、市内北にある高失業・貧困地区サン=バルテレミー店の中国ハラル系企業への売却の真の意図が、「裁判上の清算(=破産)」にあるとして売却を禁ずる判定を下した。巨大企業のマクドナルドに対して、雇用確保のため闘いを挑んできた同店の従業員(77人)は安堵し、報道は「ダヴィデがゴリアテを負かした」と伝えた。他5店のフランチャイズ売却移転は認められた。
 

10日:アリエージュ県ではきのこ狩りの季節が始まったが、トゥールーズ近辺から私有地に車で立ち入り、きのこを狩り荒らす外来者に森林所有者が怒りを表明した。法律では、部外者によるきのこ採取量は一日一人当たり3kgが限度で、これを越えると罰金等が科せられることになっているが、適用は困難。対策として採取許可証の発行を検討する声も挙がっている。
 

11日:年々、市町村の首長が任期を全うせず辞任する例が増えている。中でもオクシタニー州(198人が辞任)は、全仏辞任首長の20%を占めている。国庫補助の減額や住民税廃止による財政難、自治体共同体設立による(一部権能の移転に基づく)首長自らの職務に対する評価の低下に加え、何かが起こると首長に声がかかるといった住民からの要求の高まりもあって、本業を持つ者にとっては片手間にできる職務ではなくなってきている。次期選挙(2020年)に十分な数の候補者が出ないことも危惧されており、地方民主主義の根幹に関わる事態と警鐘を鳴らす者もいる。
 

22日:オート=ピレネ県(オクシタニー州)にある山、ピック・デュ・ミディ(標高2876m)における無結氷期間が100日に達し、100年来の新記録となった(記録更新中)。山頂気温は130年で1.5度上昇。地球温暖化の影響とみられ、ピレネ山脈における氷河の数も30年前の45から現在では25に減退。
 

24日:政府は、「一時的労働者・求職者(TO-DE)」雇用の際に雇用主が享受していた控除を廃止の方向で検討中。右雇用に大きく依存する果樹・野菜・葡萄栽培の多い南仏の農業経営者は、欧州諸国の同業者に比べて競争力が低下すると窮状を訴え抗議行動を起こした。(仏の農業時給に比べ独は27%、伊は35%、西は37%低いが、南仏農業者は、70日以下の契約の場合、雇用者側の社会保障負担及び一部の積み立て控除が認められることを利用して生存を図ってきた。今後これが不可能となるため。)
 

25日:トゥーロンの救急医療救助(SAMU)に従事する医師、看護士及び搬送人に防弾衣が手配されることになった。麻薬売買に基づく組織間の抗争の激化により、職務環境が危険度を増していることへの対応策として。着用は必要と判断された時のみ。
 

26日:マルセイユでの全仏州大会を前に、同市に参集した州・県・市代表等(主に共和党所属)が、国庫助成の低減、住民税廃止に伴う自治体財政の窮乏化、その結果としての政府による事実上の中央集権化の動きに警鐘を鳴らした。


治安関連

6日:2016-17年に亘り、ジハディストの宣伝とテロ礼賛をソーシャル・ネットワーク上で繰り広げたル・ロラゲ(オート・ガロンヌ県)在の男(当時19歳)と北仏在の女(当時28歳)にそれぞれ禁固4年及び2年半の有罪判決が下った。
 

7日:パリ軽罪裁判所は、マルセイユ在で、2014年から17年にかけて、若い女性にシリア行き及びISの下でのジハード参加を教唆していた女(37歳)に禁錮7年を命じた。
 

11日:モントバン(オクシタニー州タルヌ=エ=ガロンヌ県)及びベズィエ(同州エロー県)で16歳男子中学生と年齢未公表の男(共にチェチェニア系ロシア人)とがIS礼賛の廉(テロ計画における兇徒の連合)で検挙され家宅捜索を受けた。中学生は、ソーシャル・ネットワーク上に投じたヴィデオ中でIS兵士に扮し、アフガニスタンに入国して「イスラム共和国」に合流したい旨表明していた。捜査に当たる国内治安総局(DGSI)では、1年前から同人をSファイル中に分類し追尾しており、IS合流は口実で本意は仏国内でのテロ実行にあったのではと疑っている。両人はソーシャル・ネットワーク上で関係を持っていた。

 

10月

4日:フランス電気会社(EDF)は、国内8ヶ所の原子力発電所の運転延長を計画しているが、原子力安全公開・情報高等委員会(HCTISN)ではこのほど同問題に関しての公聴会を開始した(2019年3月まで実施)。
 管内で対象となるのはトリカスタン原子力発電所。1980年から81年にかけて原子炉4基が運転を開始し、2019年6月には3ヶ月間運転を中止し、10年期検査を実施する予定であるが、EDFでは最新の技術工学及び原子力事故(就中福島)を考慮した運転延長計画(32億ユーロ)に組み入れる意向。反原発集団は、「運転延長は邪道。微細な亀裂が発見されたトリカスタンの第1原子炉などは危険極まりなく運転を中止すべきで、老朽化した設備の維持費用も増加するのみ」と主張。
 

5日:マルセイユでは住民の窮乏化が増大かつ深刻化しつつあり、雇用の停滞、低所得者用住宅の不足・地理的偏在、市内14区間の住民の所得格差などに顕著に窺われるようになっている。社会階層・地域・民族間亀裂の深刻化が認められるにもかかわらず、政治家は手を打とうとせず無関心を装い、関係民間団体からは、貧困との闘いに必要な手段を与えることなしに問題を任せきりにしているとの批判も。(2014年、同市の貧困者層は全住民の25.8%に及び、全仏平均に比べ10ポイント高。最低社会補助の受給者率も全仏平均の倍。貧富間格差の大きい都市の1)
 

9-11日:エクサン=プロヴァンス市代表団(政治・経済・大学関係者)が日仏自治体交流会議(第6回)に出席するため熊本を訪問した。(管内からは他にもニース、カンヌ両市、オクシタニー州が参加。)
 

13日:マルセイユのスーパー、モノプリに食料品を買いに来た盲人男性に対し、店長が衛生上、犬は認められないと退店を要求。客は、盲導犬を入店させる法的根拠のあることを示したが聞き入れられず、力づくで店の外に出された(9月21日発生)。同様の体験を過去に幾度も受けた男性は、友人が撮影した一部始終をネット上で公表し、地元紙も事件を報道。翌日スーパーの新聞売り場から同紙が消える事態に。片や同スーパーの店員が非難や唾棄、罵倒を浴びる等の事態に至ったため、店は従業員保護のため数日に亘る閉店を決定。モノプリ本社は、非を認めて男性に謝罪するとともに幹部社員の教育を約束した。
 

14-15日:オード県で豪雨が発生し、突然の増水によって車ごと流される等して14人が死亡した。当該地方における秋口の豪雨は、特有の地形に基づくもので、地元ではセヴノル雷雨として知られた現象。(地中海の暖かく湿った空気が初秋、海風に煽られて後背地の山岳沿いに上昇し、その後上空の冷気に触れて雷雨を形成、集中豪雨となって河川を氾濫させるもの。)但し、今回は地中海の水温が例年以上に高まり(ここでも気候変動の影響が疑われている)、結果として大きな被害を与えることになった。22日、大統領が現地を慰問。
 

17日:ブーシュ=デュ=ローヌ県のガソリンスタンド209箇所中半数以上で軽油料金がガソリン料金(1.57ユーロ)と並び、15箇所では初めてガソリンを上回った(1.64ユーロ)。ヴォクリューズ、アルプ=ド=オート=プロヴァンス両県でも同様の傾向が認められ、軽油優遇策によってディーゼル・エンジン車の奨励を図ってきた従来の政策が方向転換したことを消費者に実感させた。
 

20日:イタリアのサルヴィニ内相は、伊仏国境で仏側に渡ろうとした移民が伊側に戻されるのを監視するため自国警察官を派遣する旨発表した。19日、同相は、仏警官が移民をクラヴィエーレ(伊仏国境沿いにある伊側の村)で下車させた後、仏側に去った動画をネット上に流した上で、移民を取り巻く状況が大きく変わり、今後は両国当局間で行なわれてきた従来の慣行に従う意志の無いことを声高に主張した。
 


11月

{3日:アン県で腕や手のない子どもが出生(2009年から14年の間に少なくとも8人)した件につき、仏全域の数値がなく、管内のPACA、オクシタニー、コルシカについても実情は不明。しかしながら、ヴィトロール(PACA州ブーシュ=デュ=ローヌ県)近辺30km圏内で生まれた4人に見られるように複数の先天異常が認められることから、親、医療従事者或いは環境保護活動家などは全国規模での調査を求めている。}
 

3日:ルルド(オクシタニー州オート=ピレネ県)で(カトリック)司教会議が開かれた。教会関係者による性犯罪の被害者が以前から求めてきた集会で、性的目的のための権威の濫用及び予防を主題に、7人の被害者が4つの部会(各部会に30人の司教)に参加の下、非公開で行なわれた。
 

5日:マルセイユで約200年前に建てられた建物2棟が崩落し、死者8名、負傷者2名が出た。同市ではアパルトマン4万戸(全住居数の13%。居住者数約10万人)が脆弱又は不健康な建物と報告(2015年時点)されているが、対象家屋と関係機関の多いこと(市、県、大都市圏、国、住宅組織、都市整備開発組織)から解決は極めて複雑な様相を呈しており、従来どの組織も抜本的解決に向けて取り組んでこなかった。
 時間の経過とともに、崩壊の危険の高まった近隣建物及び避難を余儀なくされた住民の数が膨れ、あわせて他地区にある危険住宅居住者の不安や不満も高まり、市の責任を追及する声が上がった。(24日時点で避難建物数188個。避難者数1482人)。
 検事局は、捜査に着手し、警察による関連組織への家宅捜査が実施された。政府は査定専門家を派遣。(13日)
 8000人が参加して抗議のデモが実施された(14日)。
 

17日-:自動車燃料税の値上げに抗議して、「黄色いチョッキ(交通事故発生時等に二次災害を防ぐため着用すべく全車輌に装備が義務付けられている反射材付き胴衣)」を身に付けた一般市民が、全仏で高速道路、石油備蓄基地、郊外商業センター、空港等で車輌の通行を妨げ不満を表明した。管内でもマルセイユ市、アヴィニヨン市、トゥールーズ市、ヴァール県他で運送業関係者を含みつつ生活の窮乏化を訴える運動に拡大し、「地球温暖化対策という大義を掲げるのはよいが、庶民の生活困窮に配慮しようとしない」マクロン政権に対する全般的批判に変化するとともに長期化していった。
 


12月

11月17日-12月23日:自動車燃料の値上げに抗議して始まった「黄色いチョッキ」運動は、長期化するとともに激化し、マルセイユでも官憲との衝突や駐車車輌の焼き討ち、商店襲撃等に発展した。自宅アパルトマンへの催涙ガス侵入を防ぐため鎧戸を閉めようとした80歳女性が催涙弾の破片を顔面に受け転送先の病院で手術中に死亡(2日)。アヴィニヨンでは23歳の男性活動家がトラックに轢かれて死亡する(13日)など不測とはいえ深刻な事態に至った。
 商品や自動車燃料の供給にも支障を来たして郊外商業センター等では客足が激減、年間売り上げの大半をクリスマス期に頼る商店関係者にとっては大打撃となった。
 高校生もバカロレア改革等に抗議して運動に参加し、管内でも複数校が封鎖された(3日)。「黄色いチョッキ」運動の参加者同様、「自分たちの暮らしや将来に関わる事柄が改革の名の下、勝手に進められている」との不満や不安が共通項になっているとの指摘も。
 マルセイユ、トゥールーズでは、8日再び商店略奪、警官隊との衝突発生。
 マクロン大統領の声明発表(10日)後運動は若干低調になり、クリスマス休暇に入ってひとまず沈静化した。活動家の中には、年明け後の再開を誓う者も。
 

6日:非政府組織の「国境なき医師団」と「地中海SOS」とは、地中海における船舶アクアリウス号による移民救助活動を中止し、別船舶を模索中である旨発表した。同号に対する各国の船籍拒否、それに続く欧州特定国による「妨害活動」や極右組織による「人身売買」等の非難中傷を受けての措置。
 

13日:ギャップ(PACA州オート=ザルプ県)の軽罪裁判所は、去る4月移民の伊仏国境越えを幇助した廉で被告7人に有罪判決を下した。官憲に対する反抗容疑の対象ともなったフランス人2名に対しては12ヶ月(内禁固4ヶ月)が宣告され、他のフランス人2、イタリア人1、スイス人1、ベルギー・スイス人1には、執行猶予付き6ヶ月が言い渡された。大半の被告は上告の意向。
 他方、12日、破棄院は、伊仏国境にあるラ・ロワイア渓谷で移民支援を続ける有機オリーヴ栽培業者に対しエクサン・プロヴァンス控訴院の下した移民幇助に対する有罪宣告(2017年8月。執行猶予付き4ヶ月)を取り消した。フランス法において博愛の原理が公認されて以来、右原理を初適用した判決。
 

14日:コルシカ民族運動の父と呼ばれたエドモン・シメオニ、アジャクシオで逝去(84歳)。
 

21日:エアバス社に対し米司法当局が横領容疑で捜査中。現在捜査中の仏、英における同社機販売に絡む「手数料」を巡る問題の流れで生じた案件。エアバスでは、巨大な米国市場を失わぬため全面協力を約束。
 

治安関連

11日:3月、カルカッソンヌ及びトレブ(オクシタニー州オード県)で発生したテロ事件(犠牲者4名)に関連して、治安当局は、犯人(銃撃戦の際、殺害)のイスラム過激化に関わった容疑等で男3人(25、30、42歳)を検挙した。